半導体の受託生産世界最大手、台湾のTSMCは日本に半導体の新しい工場を建設する方針を正式に発表しました。
2024年の稼働を目指します。
世界的な半導体不足で各国の需要が高まる中、日本に生産拠点を設ける狙いは何なのでしょうか。

TSMCジャパン株式会社
[blogcard url="https://www.tsmc.com/english"]
TSMCの魏哲家CEO。
私たちは日本に生産拠点をつくる。

日本に新たな工場をつくることを表明したTSMCのトップ、魏CEO。
2022年に着工し、2024年に稼働を始める方針を示しました。

会見では具体的な地名には触れませんでしたが、すでに進出先として判明している熊本県では…

野田博行記者。
広々としたこちらのエリアにTSMCの新工場が建設されると見ています。隣にはソニーの半導体工場があります。

やっぱり期待はする。

ソニーとかはある。にぎわっていいと思う。

菊陽町にあるソニーグループの工場ではスマートフォンなどに使われる半導体の画像センサーを生産。

TSMCの新工場建設はその隣接地に予定されていてソニーグループやデンソーも参画する見通しです。
日常生活に欠かせない家電やスマホなどに使われている半導体。現在、世界的に不足しています。
日本政府は国内の安定供給のために有力企業の工場が国内に必要だと考えてきました。
そして今回のTSMCの新工場建設には政府からの働きかけも。

当社の顧客および日本政府双方からプロジェクトを支援する強いコミットメント(確約)を得た。

その政府からは…
岸田総理。
最先端半導体の製造をほぼ独占すつ台湾企業の日本進出が本日発表された。

これによりわが国の半導体産業の不可欠性と自立性が向上し、、経済安全保障に大きく寄与することが期待される。

岸田総理は10月14日の会見でTSMCの大型民間投資などが総額1兆円規模になるとし、その支援を経済対策に盛り込む姿勢を打ち出しました。

支援額は数千億円と見られ、月末の衆議院選挙の後に編成する補正予算案に計上する予定です。

TSMCが日本に生産拠点を置くのは初めてのことですが、その理由について専門家は…
東京大学公共政策大学院の鈴木一人教授。
政府が多額の補助金をつけることが大きなインセンティブになっている。

ソニーやデンソーが出資することによるインセンティブ。

工場を造るときのコスト、負担が小さくなる。

一方、日本側にとってのメリットは…
中国と台湾の関係は非常に緊張している。

世界の半導体のシェアを台湾全体で7~8割、TSMCだけでも6割。

その工場が日本国内にあるということは半導体の供給が中台情勢にかかわらず継続する可能性が高いという意味でサプライを安定させるという意義はある。
