1月に行った世論調査で日本の72％の人が「再選してほしい」と思わないと答えた人物がいます。
それがアメリカのトランプ大統領です。
その言動に戸惑いや不安を覚える人が多いということかもしれません。
そのトランプ氏が再選を目指すアメリカ大統領選挙がスタートします。
WBSでは「2020アメリカ大統領選の戦場」と題して11月まで注目の選挙をシリーズでお伝えします。
今回はトランプ氏の身内から上がった反乱の火の手を追いました。
トランプ大統領
さらに4年！（再選を）
11月の大統領選挙でトランプ氏は再選されるのか？
カギを握るのが女性有権者の動向です。
大方の予想を裏切ってトランプ氏が勝った前回、白人女性の5割以上がトランプ氏に投票し、劇的な勝利を後押ししました。
女性は「トランプが嫌いだ」とよく言うが、その問題を感じたことはない。
しかし、最新の調査によるとトランプ氏を支持する女性は35％しかいません。
かつてトランプ氏を支持した女性たちに何が起きているのでしょうか？
ペンシルベニア州
前回の選挙でトランプ氏が大接戦を制したペンシルベニア州。
投票率の差はわずか0.72％でした。
この女性はその時、トランプ氏に投票しましたが、
とてもがっかりしている。
後悔している。
トランプ氏に投票した女性の多くがそう語りました。
彼は人種差別的で女性への態度が悪い。
女性たちを特に怒らせているのはトランプ氏の過激な言動です。
不法移民について、
彼らは麻薬を持ち込み、罪を犯し、レイプする。
対立する女性議員に対して、
彼女は知能が低い、IQが低い。
国民が分断されていて意見が違う人と友達になるのは難しくなっている。
トランプ氏に対抗する候補に投票するつもり。
最新の調査ではペンシルベニア州の女性のほぼ半数が民主党の候補に投票すると回答。
女性たちの反発がトランプ氏の再選を阻むかもしれません。
トランプ氏の頼みの綱 キリスト教「福音派」
こうした中、トランプ氏にとって頼みの綱はアメリカの人口の4分の1を占めるとされるキリスト教福音派です。
私たちは声なき人のために戦っている。そして勝つ。勝ち方を知っているからだ。
この日、トランプ氏が参加したのは人工妊娠中絶の禁止を訴える大集会。
キリスト教福音派は中絶を殺人と捉えています。
前回の選挙では悲願ともいえる中絶の禁止を実現しようと福音派の多くがトランプ氏に投票。
再選を目指すトランプ氏はこの日、改めて支持を訴えたのです。
人生で最も重要な大統領選だ。
トランプ大統領が再選すれば人工中絶が終わるからだ。
福音派で起きた反乱
しかし、福音派の間にもトランプ氏に反発する火の手が上がっています。
福音派の主要雑誌「Christianity Today（クリスチャニティ・トゥディ）」。
去年12月、「トランプ氏を罷免すべきだ」と社説で訴え、トランプ政権に衝撃が走りました。
この社説を書いたのが編集長のマーク・ガリさん。もちろん熱心な福音派の信者です。
ガリさんはトランプ大統領を極めて不道徳な存在だと批判しました。
彼は人々を見下して侮辱している。
福音派がトランプ氏を支持して彼の不道徳な行為を無視することは福音派自身の活動とキリスト教の信仰に害がある。
中絶は認めないと言いながらリーダーの破綻した人格は問題ないとあなたは本気で言えるのですか？
この社説が発表されると福音派の指導者は信者を冒涜していると一斉に非難。
しかし、ガリさんの元には賛同する手紙が数多く届きました。
「勇気を持ってトランプ政権に真実を言ってくれてありがとう。」
表向き、トランプ氏の支持を口にしながら心の底で葛藤している人が増えているとガリさんは指摘します。
みな他人から中傷されることを恐れ、本当の意見を言えなくなっている。
アイオワ州
今月2日、アイオワ州。
大統領選の火蓋が切られる党員集会を前に1台のバスがやって来ました。
バスには「VOTE common good」、共通の善に基づいて投票しようと書かれています。
現れたのは福音派の牧師、ダグ・パジットさん。
アメリカ全土を周り、福音派の人々にトランプ氏以外の候補に投票しようと呼びかけているのです。
「共通の善」＝全ての人にとっての善にもっとも大切なことは権力者が弱者を思いやることだ。
この日は街のカフェを借り切って集会。10人ほどが集まりました。
ここで反対意見の人たちと争いにならず話せる方法を考えている。
パジットさんは国民同士の対立が深まるアメリカの状況を変えるためにもトランプ氏以外の候補に投票すべきだと訴えました。
この国の幸福のためにトランプ氏の再選阻止を手伝ってください。
これまでトランプ氏を支持し続けてきた福音派。
反トランプの動きは広がりを見せるのでしょうか？
「『共通の善』はトランプ氏の再選を阻止できるか？」
「共通の善」はトランプ氏を倒せると確信している。
