
アメリカと中国の間で難しい交渉が続いていますが、貿易摩擦によって打撃を受けている中国国内では意外な動きが出ています。

青島統済機電製造
中国の山東省・青島。

ここで工場を経営する林成州さんです。

ここが私の工場の生産ライン。

ほとんどがアメリカへの輸出品。

アメリカ向けの輸出を始めて14年、板金やプラスチックを加工した製品を年間500万個生産しています。

しかし制裁でほぼ全ての製品の関税が上がったため注文数は1年前に比べ8割減りました。

工場は暇で仕方がない。

期間契約の作業員は全員辞めてもらった。

制裁の抜け道
かつてない危機に直面した林さん。
この局面を打開するため、ある対策に打って出ました。
これで制裁で追加された10%の関税を支払わずに済んだ。

林さんとアメリカの取引先が注目したのは輸入品の品目を示す国際的に決められた共通の番号「HSコード」です。

例えば自動車のテールランプの部品。

去年7月の制裁で自動車部品にあてはまり関税が上乗せされるようになりました。

しかし、これを当時、制裁対象でなかったプラスチック製品のコードに切り替えて申告したのです。
その後、プラスチック製品も制裁対象になったものの一時的に高い関税を回避できたといいます。

問題なく合法的なもの。

「材料」で示すか「用途」で示すか、それぞれ選べる。

中国ではみんなこうしたやり方を見つけては制裁にかかった関税を回避している。

制裁が決まれば新たな抜け道を見つける。
こうしたイタチごっこが中国の生産現場では常識になってきているのです。
トランプ大統領
トランプ大統領について聞いてみると意外な答えが返ってきました。
トランプ大統領には感謝している。

圧力を通じて政府が良い政策を出せば経営にメリットがある。

年末、広東省・広州。

空港に林さんの姿がありました。
仲間に会うのが楽しみだよ。

向かった先は郊外のコテージ。
横断幕には「トランプ思想検討会」の文字。

さらに林さんが着たTシャツには、
「自由の女神」「権利を守る銃」「聖書」、そして「トランプ大統領」。


メンバーはみんな同じような思いを持っている。

集まったのは40人ほどで業界は異なりますが皆、中国国内で働くビジネスマンです。

彼らがトランプ大統領に期待するのは中国を動かす絶対的な圧力としての役割です。

貿易摩擦を受けて中国政府が矢継ぎ早に減税や規制緩和などに着手したことでコスト削減や業務の改善につながっているといいます。

ネット関連企業の主催者は、
制裁を与えてくれてうれしかった。トランプ大統領のファンになった。

証券業の参加者は、
貿易摩擦は陣痛のようなものでその先は進歩が待っているだろう。

参加者にはアメリカ製品の象徴、アップルのiPhoneがプレゼントされました。

貿易摩擦による痛みは一時的だと割り切り、中国政府の姿勢の変化に期待を寄せているのです。

中国政府はこれまでにないほど一生懸命さまざまな政策で負担を減らしてくれる。

ことしはこうした外圧によってさらに状況が改善すると楽観視している。
