2017年、アメリカのおもちゃ販売大手トイザらスが経営破綻しました。
日本では別の法人として営業を続けてきましたが、いま小型店を相次いで出店しています。
そこにどんな狙いがあるのか独自の生き残り戦略を取材しました。
日本トイザらス株式会社
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東京・墨田区。
7月、商業施設の一角にトイザらスの新店舗がオープンしました。
初日は開店前から親子連れの長い行列が…
1万7,000円以上の商品が入って2,999円と大変お安くなっています。
オープン限定のセール商品が次々と売れていきます。
実はこの店、東京23区初の小型店。
店の広さは従来の3割ほどです。
売り場を狭くした一方、実際におもちゃを使って遊べるプレイテーブルは2倍に増やしました。
自由に遊べる感じで置いてあると子どもも食いついて遊んでいるので結構買う。
来てみて小さいかなと思ったが買えないものは特にない。
小型店
トイザらスは2年前、都市の駅チカに小型店を初めて出店。
今年は一気に出店を加速し、11店舗になりました。
今後も毎年10店舗のペースで増やしていく予定です。
これまで郊外に大型店を中心に展開してきたトイザらス。
なぜ小型店に舵を切ったのでしょうか?
「都市で駅に近い小型店を増やす狙いは?」
日本トイザらスのディーター・ハーベル社長は、
日本の地図を見ると都市でホワイトスペース(出店できる場所)はたくさんある。
まだ成長できる可能性が高い。
「小型店の客層は?」
今の家族で考えると一番足りないのは時間。
買いやすく時間が効率的に使える環境の中に小型店をオープンするのは大切な戦略。
危機感
日本トイザらスが独自戦略を打ち出す背景にはアメリカの二の舞になるという危機感があります。
アメリカのトイザらスはアマゾンなどネット通販の急拡大や価格競争に破れたことで業績が悪化。
3月には735店を閉鎖し、アメリカ事業を精算すると発表しました。
日本トイザらスはどう生き残っていくのか。
ハーベル社長があるものを見せてくれました。
戦略の大事なポイントはストア・オーダー・システムです。
何でも商品はここから見つけられる。
店に商品がない場合でも店内に置かれたタブレット端末でネット注文することができます。
また全店舗から在庫のある店舗を教えてくれます。
「店舗とオンライン両方やる理由は?」
お客様のニーズに合わせたい。
お客様に一番買いやすい環境を提供する。
生放送番組
さらに川崎にあるトイザらス本社では新たな試みが始まっていました。
いよいよスタートしました。
ヤフーショッピングのサイトで流す生放送の番組です。
タブレット端末などのカメラを使い30分間で8つの商品を紹介します。
実は商品を紹介しているのは買い付けを担当するバイヤーたち。
普段はお客様と接する事はありません。
日本トイザらスのバイヤー、判治克俊さんは、
私のように開発にも関わっている人間からすると商品の魅力、開発背景を皆さんにお届けしたい。
この生放送を自宅で見ていた福島明子さん、2人の男の子の母親です。
上のお兄ちゃんのときにネットで買って、実際思っていたより小さくて。
こうやって動画で見られたら便利。
ここで福島さん、何かを書き込みました。
レゴもう一回見たい。。
もう少しレゴのプレゼンして欲しい!
するとトイザらスの本社では、
レゴの反響が非常に大きかったのでもう一度説明したいと思います。
生放送の内容はネットに書き込まれる視聴者の質問や感想に応じて変わっていきます。
セール期間中のオンライン売上高は去年に比べて2桁の増加となりました。
お客様中心にするため、いつも変化が必要。
去年の成功だけではなく、今後どうやってお客様に付加価値を提供できるか考えなければ。