
トヨタ自動車は2月8日に去年4-12月までの純利益が2兆3,162億円と過去最高となったと発表しました。
大幅な減産を強いられていたにも関わらず、なぜ最高益を叩き出すことができたのでしょうか。

トヨタ過去最高益!SUV好調…円安も追い風に
2月8日に出揃った自動車大手の決算。トヨタをはじめ3社とも増益となりました。

しかしこの期間、自動車メーカーは半導体不足の影響で大幅な減産を強いられていたはずですが…

トヨタ自動車。
為替だとか市場とか環境に支えられている部分が大きい。

去年4-12月の平均為替レートは1ドル115円。前の年から4.3円も円安が進んでいます。

トヨタでは円安が1円進むだけでドルに対して年間およそ400億円、ユーロに対しておよそ60億円利益を押し上げる効果があるのです。

また小型車よりも単価が高く、採算も良いSUV(多目的スポーツ車)の販売が好調な点も追い風に。

海外ではRAV4が、国内ではハリアーや同じく高単価で髙採算のミニバン、アルファードが人気を集めました。


好調な業績に合わせるかたちで株価も徐々に上昇。去年4月には1,600円台だった株価は先月上場来高値をつけました。なかでも去年12月のある発表にマーケットは反応しました。

2030年にバッテリーEVの世界販売台数で年間350万台を目指す。

幅広いコンセプトのEV(電気自動車)を2030年までに30車種展開する方針を発表。

この新たなEV戦略が好材料となり時価総額は一時40兆円を超えました。

しかし。懸念材料も…
オミクロン株の感染拡大や半導体需給のひっ迫など先行きが見通しにくい。

資材の高騰が非常に大きく想定されている。

部品不足などの影響で1月以降、国内工場の一部で稼働停止を迫られたトヨタ。

通期の業績見通しは据え置きました。
