1月14日に開幕した東京オートサロン。
これまではカスタムカー、つまり改造車の祭典として知られていましたが、最近は大手メーカーも新車発表の場に選ぶほど盛り上がりを見せています。
今回はスポーツカーや軽自動車のEV(電気自動車)が相次いで初公開されました。競争が激しいEV市場にどんな車を投入するのでしょうか。
開幕!カスタムカーの祭典!
712台の"個性"が集結
2年ぶりの開催となったカスタムカーの祭典「TOKYO AUTO SALON」です。車好きの方にとっては夢のような場所になっています。
幕張メッセに集まったのはドレスアップしたカスタムカーや憧れのスーパーカー、さらに初お披露目となるコンセプトカーなど総勢712台。
銀色に輝くランボルギーニ アヴェンタドール。イタリアの誇るスーパーカーのカスタム車です。
カービックホールディングスの加藤浩二さん。
スワロフスキーを手ばりしている。
2日間徹夜で貼ってもらって、1万7,000粒くらい。
「価格は?」
安い方だが、だいたい5,000万円。
こちらは世界に375台しかないという限定モデルのスーパーカー。
1億7,000万円ほどするそうです。普通の人には手が届かないような車ですね。それが目の前で見ることができる、すごいですね、東京オートサロン。
カー用品販売大手、オートバックスが手掛けたのはホンダのNSXをベースにしたカスタムカーの第1号「LEGAVELO」。
オートバックスセブンの小曽根憲執行役員。
専用のエンブレムを開発した。オリジナリティーの一番大事なポイントがここ。
今回は5台限定ですが、来年以降オリジナルブランドのカスタムカーを販売していく予定です。
「いろいろなことに挑戦していく?」
カー用品店市場が長期低迷しているので、われわれがどんどんアクションを起こして、あらゆるジャンルでチャレンジして市場を創造していきたい。
スポーツカーだけではありません。
アウトドアは車との親和性が高いためオートサロンではこうしたカー用品も人気です。
EXIZZLE-LINEの田丸幸子さん。
タープを付けるのが手軽にできる。キャンピングカーみたいなカスタムで人気。
"世界初公開"モデル続々登場
もともとは改造車の見本市だった東京オートサロンですが、最近は国内の大手自動車メーカーも大型ブースを構え本格的に出展しています。
トヨタはスポーツブランドの新型モデルを発表。モータースポーツで培った技術をフィードバックしたGRヤリスのフルチューンモデル「GRMNヤリス」は500台の限定販売です。
またカスタムカーレースの最高峰、GT3への参戦を見越して開発したコンセプトカー「GR GT3 コンセプト」も初公開しました。
オンラインで発表会に登場した豊田章男社長。ライバルを意識したこんなコメントも…
日産の皆さん、フェアレディZには負けませんから。
聞いてる?フェアレディZには負けませんから。
トヨタの社長に名指しされたその日産は新型のフェアレディZを初公開。去年アメリカで発表したZの日本向けモデルです。
特徴は初代から受け継ぐ長いフロントデザイン。
すごい居心地いいです。中まで上品でエレガントで、視界も良好なので運転もしやすそうです。
日産も内田誠社長自らアピールする力の入れようです。
日産は他がやらないことをやるという精神の下やっていて、フェアレディZはまさにそれを代表するモデルでもある。
ホンダは年内に発売予定のスポーツカー「シビック タイプR」の試作車を初公開。
自動車メーカーにとって東京オートサロンは趣味性の高いスポーツカーの絶好のアピールの場となっています。
EVコンセプトカー投入のワケ
独自のエンジンコンセプトで熱狂的なファンを持つスバル。
世界初披露したのはモータースポーツ向けの試作車「STI E-RAコンセプト」ですが、実はこれEV(電気自動車)です。
スバル マーケティング推進部長、小島敦さん。
この車に搭載した技術をそのまま量産モデルにというのはかなり難しいが、技術的なノウハウや知見は確実に生かせると思っている。
エンジンの時代と駆動がモーターになってもスバルとして目指していく方向性は変わらない。
異業種からの参入で競争が激しくなるEV市場ですが、自動車メーカーとして走行性能もアピールしていく狙いです。
三菱自動車からはコンセプトモデルですが新型のEV軽自動車が発表されました。
こちらが今年の夏頃までに商品化する予定の軽自動車のEV「K-EVコンセプト Xスタイル」です。
三菱自動車 商品企画担当マネージャー、佐藤大介さん。
三菱らしいSUVテイストの軽自動車。精悍なデザイン。
1回の満充電で走行できる距離はおよそ170キロメートル。
近距離の移動など軽自動車を日常の足として使う人をターゲットにしています。
三菱自動車は2009年に世界初の量産電気自動車「アイミーブ」を発売。世界でおよそ2万3,000台を販売した実績があります。
ただ当時は400万円を超える価格だったことから一般への普及には至りませんでした。
今回はどんな価格戦略を考えているのか聞いてみると…
政府や自治体の補助金を利用した実質負担金額が200万円程度からという価格を想定している。
EVに限らず軽自動車全般で180万円程度が売れ筋の価格帯。
競争力のある価格と考えている。