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[WBS]ワクチン接種証明アプリ乱立!特典続々…登録者少のワケ[TOKYOワクション]

2021年11月15日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

「TOKYOワクション」をご存知でしょうか?

東京都が始めたワクチンの接種証明アプリのことで、接種率を高めるとともに消費を促す効果を狙っています。

11月15日にこのアプリで受けられる特典が発表されました。抽選で当たるホテルの宿泊券やノートパソコンのほか、誰でももらえるスーパーや飲食店の割引券などです。

実はワクチンの接種証明アプリはほかの自治体や企業も続々と投入していて乱立の様相を見せています。一体何が起きているのでしょうか?

TOKYOワクション

[blogcard url="https://tokyo-vaction.jp/"]

東京・千代田区にある洋風居酒屋「ビバリー 有楽町ビル店」。

この店は今月から「TOKYOワクション」の取り組みに参加しました。

久木和人記者。

店でこのアプリの画面を見せるとアルコールが割引になります。

スマホ上のアプリを見せるだけでビールやハイボール、酎ハイなどが何杯でも半額になるお得なサービスです。

割引を受けるのに必要なのはTOKYOワクションのアプリからワクチンの接種記録などを撮影して送るだけ。

現在、1,270店舗以上が割引などのサービスを提供しています。

売り上げがコロナ前の6割ほどに落ち込んでいるという店の店長は…

ビバリー有楽町ビル店の中村真丈店長。

売り上げが早期に回復するための取り組みの一つとして有効な手段ではないか。

サービスを初めておよそ2週間、その効果について訪ねると意外な答えが…

まだアプリの利用客はいない。アプリの普及率が上がっていないのか。

お客様に聞くと…

「『TOKYOワクション』を知っているか?」

知らない。初めて見た。

使っている人も聞いたことがない。

TOKYOワクションの登録者は11月15日時点でおよそ18万5,000人。実は東京都のワクチン接種者のわずか2%ほどにとどまっていました。

一体どうしてなのでしょうか?

都内の別の店「とりいちず 渋谷マークシティ横店」を訪ねると…

FS.shakeの遠藤勇太社長。

「ワクパス」というものがあるが、興味はあるかと言われて導入した。

実はこの店で使えるワクチン接種証明アプリは民間企業が提供するワクパス。

このアプリの登録者のみを対象にドリンク1杯と焼き鳥2本の無料サービスを行っています。

TOKYOワクションについては存在を知らなかったといいます。

政府から公式の"ワクパス"が出てばお客様も分かりやすくなる。

実はこうしたワクチン接種証明アプリは都だけでなく民間企業も相次いでサービスをスタートし乱立気味になっているのです。

当初、統一規格として期待されていたのが政府が発行するワクチン接種証明アプリ。所管するデジタル庁の関係者は…

年内開始を目指して調整している。リリースは12月くらいになるんじゃないかな。

民間企業などが政府のアプリを待てずに先に動いたため乱立につながったのです。

東京都ではワクチン接種証明アプリが乱立気味となる中、群馬県に圧倒的なシェアを誇るアプリがありました。

持っておけば多少行動が自由にできて、それで特典を受けられればお得。

提示を求められたらすぐに出せる状態。持っていて損はないかと。

年代問わず誰でも登録できるのでLINEしている人は楽だと思う。

これで食事券を購入した。

1万円で1万3,000円分の食事チケットをもらえる。

昨日使ったもんね、3,000円お得だから。

群馬県民のワクチン接種者のうち、なんと6人に1人が所持しているのが群馬県が県民対象に提供しているアプリ「ぐんまワクチン手帳」です。

圧倒的なシェアを握ったヒミツはどこにあるのでしょうか、前橋市のホテル「白井屋ホテル」を訪ねると…

チェックアウト時に割り引きさせていただきます。

ぐんまワクチン手帳などを提示すれば宿泊料金から5,000円が割り引かれ、しかも1人何回も利用できるといいます。

有名アーティストをデザイナーとして起用し、雑誌などで話題となったこちらのホテル。ぐんまワクチン手帳の取り組みにより地元のお客様が多く占めるようになりました。

以前泊まった時よりだいぶ安い。これはチャンスだと思い。

群馬に住んでいても意外と地元は行かないので

特に前橋はホテルがあまりないので。

およそ12万円するスペシャルルームにも多くの予約が入っているといいます。

同じ特典は県内の700以上の宿泊施設で利用可能。割引を利用した群馬県民はすでに2万4,000人以上に上っているといいます。

実はこの大盤振る舞いの割引の原資は…

白井屋ホテルの矢村功CEO。

提示すれば5,000円引きというのは完全に県の補助。

宣言が明けて速やかに実施してくれたのはわれわれにとって非常に大きかった。

一方で、実は東京都のアプリ「TOKYOワクション」では割引の原資は全て事業者持ちとなっていました。

割引補助に30億円以上の予算を確保したという群馬県。なぜそこまでしたのでしょうか。

群馬県知事戦略部DX課、古仙孝一課長。

観光は群馬県を支える産業であり、非常に裾野も広いので観光業、飲食店などが立ち直ることによる波及効果は大きい。

補助金を投入して需要を喚起していくことが重要。

補助金を投入することで成功した群馬県。

来月、アプリの提供を始める政府は…

「国内の経済喚起のために補助金を出して活用するという考えは?」

松野官房長官。

現在、関係省庁で検討を急いでいると承知している。

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