10月28日(土)に開かれた東京オリンピック開催まであと1,000日を祝うイベント。
会場の建設などを巡って二転三転した中、いま準備はどこまで進んでいるのでしょうか?
2020年、東京オリンピック・パラリンピックに向けた様々な動きを取材する企画「ROAD TO TOKYO」。
3回目の今回は1,000日を切った今、各会場の工事がどこまで進んでいるのか、空からじっくり見てみました。
新国立競技場
相内優香キャスター、
東京オリンピックまで1,000日を切ったなか競技場の準備は今どのくらい進んでいるのでしょうか?
空から見てみます。
まず最初に向かうのは、
新国立競技場です!
まさに今、工事が進められているところです。
当初のデザイン案は総工費が3,000億円に達することが判明。政府は撤回を余儀なくされ再コンペの末、1,490億円で建設ができる案が採用されました。
当初の2015年10月の予定から1年以上遅れ2016年12月に工事が開始。
現在の完成度は?
空から見ますと楕円形の形もしっかりと確認することができます。これはもう競技場だということが分かります。3層からなるスタンドもまだ着工して1年も経っていませんが大枠が出来上がっています。
さらにこのスタンドの上に屋根ができるということです。
その屋根のひさしには木が使われる予定。先日、その一部が公開されました。
座席は5色、遠くから見ると木漏れ日に見えるそうです。
完成予定は2年後の2019年11月。急ピッチで建設が進められています。
日本スポーツ振興センターの新国立競技場設置本部、小松幸雄さんは、
完成は組織委員会からのお願いよりも早くなっているという状況。今のところは計画通り進んでいます。
ただ工事を巡っては作業員の男性が過労自殺をするなどの問題も…。
現場を取材したところ、工事は朝8時から夕方6時まで、日曜は完全に休みなどのルールを改めて徹底しているそうです。
小池百合子知事
一方、会場の中にはこの人の発言に大きく揺れたところもあります。
東京都の小池百合子知事は2016年9月に、
負の遺産を都民に押し付けるわけにはいかない。しっかりとチェックし直していく。
小池知事は当初、水泳やバレーボールの会場の新設を見直し既存の施設を使用する案を主張。数ヶ月に渡るすったもんだの末、結局、新設することになりました。
「あっちだ」「こっちだ」といって時間を浪費したと私は思っていない。むしろここにたどり着くことで都民との一体感が生まれたのでは。
では今、建設はどこまで進んでいるのか?
オリンピックアクアティクスセンター
競泳やシンクロナイズドスイミングが行われるオリンピックアクアティクスセンター。
2017年4月から本体工事が始まりました。
中央付近に少し長方形のくぼみが見えます。おそらくここが競泳などが行われるプールのコースになるのではないかと思われます。
東京都によると2019年末の完成を目指し順調に工事が進んでいるということです。
10月25日、取材中にある団体に遭遇しました。イギリスの競泳パラリンピックチームです。
大会の準備をするため会場の視察に来たといいます。
クリス・ファーバーさんに直撃してみると、
まだ時間は十分にあるし日本はすごく組織されているので、ちゃんと余裕をもって素晴らしい会場になると確信している。
有明アリーナ
バレーボール会場の有明アリーナは、場所は高層マンションが立ち並ぶ一画。
2017年4月から本体工事が始まりました。
その進捗状況は、
まだ建物というのは土台部分しか確認することができません。まだまだこれからといった状況です。
建物部分が形を見せるのは少し先になりそうです。
海の森水上競技場
一方で意外な問題が浮かび上がっているところもあります。
東京湾に浮かぶ埋立地「中央防波堤埋立地」。
ここに出来るのが海の森水上競技場。ボートやカヌーなどが開催されます。
競技場の予定地に行ってみると、
伊大知明宏記者、
こちらの会場、近くの歩道は草木が生い茂り現在まったく手入れがされていません。
実はこの土地、住所がありません。
江東区と大田区が帰属を主張し40年以上未解決のままになっています。
現状、どちらの区の土地でもないため整備や清掃などにも影響が…。
10月に都はそれぞれの区からの距離などを基準に約86%を江東区、約14%を大田区にする調停案を発表。
江東区は賛成しています。
これに対し10月29日に大田区が出した結論は、
調停案の拒否に賛成の方はご起立願います。
調停案を拒否した上で江東区と裁判で闘うことに。
オリンピックまでに決着がつくのか、自体はますます混沌としてきました。
泣いても笑ってもあと1,000日。さまざまな課題を抱えるなか時間は刻一刻と過ぎていきます。