10月25日に報道陣に公開された東京モーターショーで各社がお披露目したコンセプトカー。いわば未来のクルマです。
自動車市場を巡っては電気自動車など電動化への動き、さらには自動運転、そしてAI(人工知能)といった新しい技術の開発が急速に進んでクルマというものの概念が大きく変わるといわれています。
そんな中で開かれる今回のモーターショーで各社はどんな未来像を描いているのか?
WBSでは「激変!『クルマ産業』の未来」と題して二夜連続でお伝えします。
今回のテーマは「電動化」の先に何が見えるかです。
東京モーターショー2017
[blogcard url="http://www.tokyo-motorshow.com/"]
報道公開初日を迎えた第45回東京モーターショー。
今回は10ヶ国から153の企業や団体が371の車両を出展しています。
各社が目玉とするクルマから見えてきた最大のテーマはやはり「電動化」です。
トヨタ自動車株式会社
[blogcard url="https://toyota.jp/"]
国内最大手のトヨタはEV(電気自動車)の「TOYOTA Concept-愛i」シリーズを発表しました。

ディディエ・ルロワ副社長は、
EVが近い将来、重要なソリューションになるのは疑う余地がない。
シリーズのメインとなるモデルのドアには跳ね上がるように開くガルウイングを採用しました。
ライトでウインク、AIでクルマの感情を表現します。

こちらは足の不自由な人の乗車を想定したモデル。運転に使うのはペダルではなくジョイスティック。
ドアで車椅子を吊り上げて積む機能も備えています。
そして2つのモデルに搭載を見込むのが自動運転機能です。
未来の運転をシミュレーターで大浜平太郎キャスターが体験しました。
「家族で行くのに一番いいところは?」
あなたにはダウンタウンがおすすめ。
日頃の運転や会話の内容を記憶し、お薦めのドライブコースを提案します。
ドライバーの表情を読み取り、運転中の満足度を判断する機能も備えています。
最もうれしそうにしていたのは目的地を選んでいるときでした。私との会話を楽しんでいただけましたか。

さらにこんなモデルも。
上がアクセル、下がブレーキ。基本は二本指で操作ですね。
歩道などで乗るもので最高時速は6キロ。ハイヒールをはいた女性や高齢者の利用を想定しています。
EVだけでなくトヨタがこれまで力を入れてきた燃料電池車も出展。

航続距離を1,000キロに伸ばしたコンセプトカーや大型のバスも並べました。

こうした電動化の中で勝ち抜く切り札も…。
大幅な大容量化が可能になる次世代の電池です。
200以上のエンジニアが全固体電池を2020年代初めに商用化できるように準備。この技術は「ゲームチェンジャー」になり得る。
本田技研工業株式会社
[blogcard url="http://www.honda.co.jp/"]
ライバルのホンダは2030年に販売する自動車の3分の2をEVやハイブリッド車などの電動車にする方針です。
八郷隆弘社長が今後売り出す電動車のラインナップを公表しました。
人々の生活に寄り添い親しみが持てるEV。「アーバンEVコンセプト」を紹介する。

日本で初公開のアーバンEVコンセプト。
このクルマを元にしたEVを2020年に日本市場に投入します。
相内優香キャスター、
ホンダが2020年に発売することを発表した街での利用を考えたEVのコンセプトカーです。家電を操作するように扉が開きました。室内もクルマの中というよりお部屋の中のようなデザインですね。
矢口史浩研究員は、
この中でくつろいでドライブを楽しめる空間を作りました。
さらに2018年にはPHEV(プラグインハイブリッド車)のクラリティPHEVを発売。

ハイブリッドバイクと電動バイクの2種類も販売するなど電動化への道を突き進みます。

その電動バイクを熱心に取材していたのはタイのメディア。
タイではたくさんの人が毎日バイクに乗る。ホンダはタイでナンバーワンだ。私もタイではホンダのバイクに乗っている。
日本では乗る人が少なくなってしまったバイクの市場でも電動化のビジネスチャンスは大きいようです。
八郷社長
ホンダの製品は全部合わせると年間2,800万人のお客様に買ってもらっている。二輪と四輪がコラボレーションしていって、その広がりの中で電動化できればいい。
日産自動車株式会社
[blogcard url="http://www.nissan.co.jp/"]
無資格検査問題に揺れる日産自動車。
発表したのは「NISSAN IMx」です。

日産の目標とする完全な自動運転を形にしたコンセプトカーです。
その走りを相内キャスターが体験しました。
UX/UIデザイン部の上田太郎部長、
プロパイロット(自動運転)にかわるのでハンドルを離して。
イスが動く、格納されてゆったりと。
自分が好きなもの、ファッションが好きならファッション情報をとれたり、コーヒーが好きだったらカフェの情報がとれる。
クルマを普段運転しない人でも、お任せしていれば好きな所へ連れて行ってくれるってことですか?
自分の好きなものをAIが認識すれば、いろんな選択肢が出て「行きたい」となれば、そちらの方に自動的に車が連れて行ってくれることができる。
フォルクスワーゲン
[blogcard url="http://www.volkswagen.co.jp/ja.html"]
一方、環境規制への対応などでEVシフトが明確なヨーロッパ勢。
フォルクスワーゲン ブランドのユンケル・シュタックマン取締役、
フォルクスワーゲンは2025年までにeモビリティのマーケットリーダーを目指す。
フォルクスワーゲンが展示したのは今月からネットでの注文受付を開始した「e-Golf」

フォルクスワーゲンとして日本では初めての導入となるEV車です。
さらにこの日にお披露目されたのは2022年に本国での販売が決定しているEVコンセプトカー「I.D.BUZZ」。

デザインは60年代から70年代に人気を博したレトロなマイクロバス型を思わせるものの自動運転機能を備えるなど未来の車社会に向けて着実に準備を進めています。
2025年までに売り上げ100万台を目指している。それに向けて電気自動車はキーとなる。来る5年で大きな変化があると思う。お客様にとってもいい変化だろう。
メルセデス・ベンツ
[blogcard url="https://www.mercedes-benz.co.jp/content/japan/mpc/mpc_japan_website/ja/home_mpc/passengercars.html"]
メルセデス・ベンツはEV専用ブランドである「EQ」に最新モデルや、世界初となる水素で発電する燃料電池とバッテリーを組み合わせたハイブリッドカーなど4種類の電動化車両が登場。
今後は電動化の中にも多様性を持たせることが重要だといいます。
メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長は、
ただエコノミーだけでなくハイスピードパフォーマンスの車種もある。同じ電気だけど考え方が違ったり多様化に努めてお客様の気持を充当する商品を見せたかった。
各社、電気化はすごいスピードで進んでいる。取り残されないように電気化の方向に進んでいる。
いすゞ自動車株式会社
[blogcard url="http://www.isuzu.co.jp/index.html"]
電動化の波はトラックにも。
いすゞはEVトラックを発表。
片山正則社長は、
経済合理性と使い勝手の良さを備えた商業車EVをつくりこんでいく。
三菱ふそうトラック・バス株式会社
[blogcard url="http://www.mitsubishi-fuso.com/content/fuso/jp/index.html"]
さらに三菱ふそうは世界初の量産型EVトラックを発表。

マーク・リストセーヤ社長、
私たちは電動化において最前線に進めていかなくてはならない。
一体、何がスゴいのか?
体験をしてみると、
アクセルを踏み込みゆっくりとスピードを上げていきます。エンジンの音は全くしません。
三菱ふそうトラック・バスの品田善之さん、
まったく騒音がでないのでごみの夜間収集や夜中のコンビニ配送に気兼ねなく使える。
1回1時間半での充電による航続距離は約100キロ。
すでにセブン-イレブンジャパンやヤマト運輸が商品の配送などに導入することを発表しています。
リストセーヤ社長は電動トラックで世界を引っ張っていくと自信を見せました。
今日見ただろ。トラックの電動化の波は日本から始まるんだ。