2年に1度の自動車の祭典「東京モーターショー」で出展企業がどんな自動車の未来を描いてるのか探る「激変!『クルマ産業』の未来」。今回は第2回です。
[blogcard url="https://lovely-lovely.net/business/tokyo-motorshow"]
10月26日に発表された日産の自動運転車。対向車の確認が必要なため左折に比べて難しかった右折が可能になっただけでなく、Uターンもできるようになりました。
これまで自動車業界は完成車メーカーが断然有利な業界でした。
しかし自動運転の技術が進むことで部品メーカーにもチャンスが広がると見られています。
存在感を増す部品メーカーの革新的な技術をモーターショーで取材しました。
東京モーターショー2017
[blogcard url="http://www.tokyo-motorshow.com/"]
東京モーターショーでは完成車を売る自動車メーカー以外に自動車部品や関連サービスを手掛けるメーカーが約100社出展しています。
日本グッドイヤー株式会社
[blogcard url="https://www.goodyear.co.jp/"]
グッドイヤーが日本で初公開したボールの形をした未来のタイヤ「Eagle-360アーバン」。
車があらゆる方向に動けるため駐車場や狭い道路での運転を助けるといいます。
トヨタ紡織株式会社
[blogcard url="https://www.toyota-boshoku.com/jp/"]
内装を手がけるトヨタ紡織が展示したのはドライバーの身体にぴったりフィットするシート。
自動運転技術が進むと車内をより快適に過ごしたいニーズが高まると見ています。
この自動運転に合わせた開発は部品メーカーにとっても大きなトレンド。
コンチネンタル・オートモーティブ株式会社
[blogcard url="https://www.continental-corporation.com/ja-jp"]
ドイツの自動車部品大手のコンチネンタル・オートモーティブのブースで展示していたのはバード・ヴォーフラム社長によると、
新しいコンセプトのタイヤ。タイヤの幅を変えることができる。
コンチネンタルが日本で初公開したのはタイヤの幅と空気圧を変えることで4パターンに変身するタイヤ。
例えば雪モードでは空気圧を低くし、地面との接地面積を広くすることで滑りにくくなる仕組みです。
逆に乾いた路面ではタイヤの幅を細く、空気圧を高くすることで地面との抵抗が少なくなりエネルギー効率が高い走りができるようになるといいます。
またタイヤに異物が刺さったり、すり減った際にドライバーに警告するタイヤも公開しました。
賢いタイヤをつくることが自動運転で決定的に大切なこと。なぜならタイヤが車そのものを制御しているから。
他にもセンサーやソフトウェアなど自動車に関わる様々な技術を持つコンチネンタルの世界での売り上げは右肩上がりで成長しています。
性能の高い部品とシステムが重要だと考える。
ボッシュ株式会社
[blogcard url="http://www.bosch.co.jp/corporate/ja/jp/startpage_6/country-landingpage.php"]
一方、自動車部品で世界最大手のボッシュが日本で初めて展示したという1台の車。
この車でアピールするのは故障の兆しを察知してドライバーに知らせる情報サービスです。
例えばドライバーが車に乗り込む時に「スターターバッテリーが3000km後に故障する可能性があります。修理工場で検査しますか?」と表示されます。
自動車システム統合部の越智純一部長は、
クラウドに上げた情報を分析し、バッテリーがあと3,000kmくらいで故障する恐れがあると通知している。
車とネットでつながったクラウド上のサーバーが部品の状況をモニターして警告する仕組み。さらに近くの修理工場の情報をもとに修理の予約までできるようになるといいます。
時間もお金も節約できるのでメリットがユーザーに還元できる。
ボッシュはネットとつながった「Connected Services」は今後、大きな売上につながると見ています。
ネットワーク化によるビジネスチャンスは非常に大きい。将来的に個々の部品や製品がネットワークでつながるのでネットワーク化と製品単体の売り上げを区別する時代ではなくなる。
これまで自動車メーカーが主導し、進めてきた車づくり。自動運転やネットワーク化が進む中、自動車の様々な部品に精通した部品メーカーの存在が高まりを見せています。
部品を統合して自動車メーカーにユニークな提案をできる立場にある。