旬の水産物に異変がおきています。
ズワイガニ、鮭、真鯛、鍋などに欠かせない海の幸ですが、今シーズンの卸値は前年と比べて10%以上も値上がりしています。
一方、高級魚のフグですが、大幅に値下がりしています。1キロあたりの卸値は約3,800円と前年から24%も下がりました。
歴史的な不漁が続き、高値水準となっている水産物。
フグはその救世主となるのでしょうか?
株式会社東京一番フーズ
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2月9日午前、都内のホテルで開かれたのは「フグの日フォーラム2018」。フグの魅力を伝えるシンポジウムです。
2月9日は語呂合わせで「フグの日」。
飲食関係者など約120人が集まりました。
そして、
フグの供養祭を執り行います。
祭壇にはトラフグ。
フグへの感謝の気持ちをこめて玉串が捧げられました。
東京一番フーズの坂本大地社長は、
飲食店としてトラフグの扱い高は、日本で一番大きいのでトラフグに感謝を込めて供養している。
とらふぐ亭新宿別館
そのトラフグを扱う東京・新宿の専門料理店「とらふぐ亭新宿別館」。
トラフグは模様が特徴。
都内を中心に42店舗を展開するとらふぐ亭ではフグの日に合わせたキャンペーンを2月9日から始めました。
期間中、鍋を注文したお客様は通常1,280円の刺し身が1円で食べられるという思い切った作戦です。
お客様は、
フグをこの値段で食べられるのはいい。
高級料理店で出てきそうなので安くてうれしい。
期間内はコース料理も2,000円近く割引するなどこの機会に新たなお客様の取り込みを狙います。
とらふぐ亭の鈴木繁和さんは、
この期間中にたくさんのお客様に来てもらえるよう安くなっているので、ぜひ足を運んでもらいたい。
株式会社長崎ファーム
[blogcard url="http://nagasaki-farm.co.jp/"]
そもそも一体なぜ、フグがいま安くなっているのか?
東京・江東区にあるフグの物流センター「長崎ファーム」。
長崎県の養殖場で育てられたフグをここから首都圏のふぐ料理店に配送しています。
長崎ファームの良川忠必社長、
これで1.2kg~1.4kg。1kg以上のふぐは価値が上がる。特にこれぐらいのサイズは価値が高い。
この時期のオスには白子が入っているため、さらに根があるといいます。
しかし今シーズンの卸値は3,834円。前年の5,036円を大きく下回っています。
17年12月 | 3,834円 |
16年12月 | 5,036円 |
2年前、3年前は海の環境がよくなかった。フグが死んでしまって供給が追いつかなく根が上がった。2年間立て続けに高すぎた。
今シーズンは海の環境も良く生産量も安定。
さらにフグは1年半から2年にかけて育てるため、2年前の不漁の時に稚魚の養殖を増やしたことも供量が伸びた原因になっています。
カニなどの高級食材が高騰する中、吉川社長は今のシーズン、フグが主役になることを期待しています。
フグはカニなどを上回る可能性がある魚。値段が下がったことで提供店も増えるのでフグを分かってもらえる機会。