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[モーニングサテライト]【輝く!ニッポンのキラ星】専門施設で技を次世代に伝承!兵庫・豊岡 ばねメーカー[東海バネ工業株式会社]

2021年6月1日

モーニングサテライト

地域で奮闘する企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」のコーナーです。

今回は技術力で国内外から注目を集める兵庫県豊岡市の工場を取材ししました。

東海バネ工業株式会社

[blogcard url="https://www.tokaibane.com/"]

兵庫県北部の豊岡市。

20社以上が集まる工業団地にあるこちらの工場、そこで作っているのは…

「これは何?」

東海バネ工業の小山和裕さん、

ばねです。

大きな部品を運ぶ産業用ロボットに使われるばね。

人の背丈ほどある大きなばねや変わった形のばねばかりです。

この他にも東京スカイツリーの先端部分を風の揺れから守るばねや宇宙ロケットの先端を開くばねなど…

なぜ特殊なばねばかり作っているのでしょうか?

東海バネ工業の夏目直一社長、

私たちは他社と競争しないというスタンスの元に事業運営をしている。

その具体的な手段が単品のばねに特化した完全受注生産のばね作り。

1934年に大阪で創業した東海バネ工業、創業以来完全受注・単品での生産を続けてきました。

本社は現在も大阪ですがモノ作りの主力の拠点は兵庫県豊岡市に。

1階に受注するばねは平均5個。

それでも去年の売上高は18億円。営業利益率はおよそ10%と同業他社と比べて高いといいます。

いつお客様に「こんなばねを作ってほしい」というリクエストがあってもすぐに応えられるようにたっぷりと材料の在庫を持っている。

どんな特殊なオーダーにも応える、そのため倉庫には常時2,500種類もの材料の在庫が…

機械も太い金属を巻き取る他社にはないものを導入。

しかし、重要なのは職人の技術といいます。

機械から抜くタイミングが重要。固まると色が変化していく。

色の変化と音の変化を見極めながら抜く。

ぐるぐると巻かれた鋼が安定する絶妙なタイミングを見計らい、今度はばねに粘りを持たせるため900度で焼き入れ。

熱の入り加減を見ながら転がし、焼けていない部分を上にして止める。それを繰り返しむらなく焼きを入れるのは熟練の技です。

その後、冷やすため油の中へ。取り出すタイミングは材料によって変わるため職人の感覚が頼りです。

この後も焼く、冷やすを繰り返しばねの強度を高めます。

東海バネ工業の福島秀康さん、

この熱処理という工程は社内検定に合格しないと任せてもらえない。

技術を習得するには国家試験よりも難しいといわれる社内検定の通過が必要。

日本ばね工業会が認めた全国106人の優良ばね製造技能者のうち26人が東海ばね工業の社員。

現在社員は86人、平均年齢は38歳と比較的若手社員が多いのが目立ちます。

急成長の中で彼らにベテランの技術をどう伝えていくかが課題となっていました。

そうした中、2010年に啓匠館という道場を設立。ここがベテラン職人から後輩へ直接技術を伝承する場となっています。

ちょっと材料を切ってもえぇかもな。

ここに合わせて?

うん、ここに合わせてくれたら。

入社2年目の濱一希さん、

自分の手で何かを作るということにすごい憧れがあったので、それでこの工場に入った。

先輩が優しく接してくれるのでいい会社だなと。

入社2年目の濱さん、早く一人前の職人になるためにと先輩たちの技を積極的に吸収しています。

人から人に伝えていくからコミュニケーションが活発になる。

若手がベテランを見て「あんな職人になりたい」と憧れが芽生える。

さらにベテラン職人は自分の持っている手技を自分自身で見つめ直す機会になる。

双方がウィン-ウィンの関係にある。

「ばね作りは人づくり」という社長の理念の下、目指すは100年企業です。

今後の事業展開は去年、海外サイトをリニューアルして国内だけでなく海外からも同様の困りごとを受けて、しっかりと応えていこうと考えている。

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