10月23日に現役引退を表明した福原愛さん、
日本で初めてのリーグということで海外からもたくさんの選手が参戦しますし、今の時代の選手がうらやましいです。
実は福原さんは10月24日に開幕した卓球の新リーグ「Tリーグ」の理事です。
卓球王国日本の復活を目指し、日本初のプロ選手が参加する卓球の新リーグが作られました。
2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたさまざまな動きを紹介する企画「ROAD TO TOKYO」。
卓球をビジネス的にも成功させながら東京オリンピックに向けて強化することはできるのか?
その裏側を取材しました。
一般社団法人Tリーグ
[blogcard url="https://tleague.jp/"]
Tリーグ開幕戦の舞台となったのは相撲の聖地「両国国技館」。
大勢のファンが詰めかけました。
開幕戦のカードは水谷選手や張本選手などスター選手を多く要する木下マイスター東京と韓国や香港など海外のスター選手を要するT.T彩たま。
Tリーグでは全試合を会場中央に設置された1台の卓球台で開催する大相撲観戦スタイルを採用。
シングルス3試合、ダブルス2試合で勝敗を決めます。
チーム数は男女4チームずつの計8チーム。
各チームの本拠地は関東から沖縄まで分散しています。
東京オリンピックに向け日本の卓球強化につながるのでしょうか?
木下マイスター東京
木下マイスター東京の練習施設を訪ねました。
日本卓球界のスター、水谷隼選手。
日本にはプロリーグがなかったため去年まではロシアリーグ所属のプロ選手として腕を磨いてきました。
日本でプレイすることで練習時間がかなりある。
しっかり自分の技術を磨くことができる。
今までみたいに移動に時間を取られない。
日本でやれることをありがたく感じている。
木下マイスター東京はハウスメーカーの木下工務店などを傘下に置く木下グループがチームを運営。
水谷選手の要望を受け、国際基準を満たす卓球台と実際に国際試合で使用される赤い床材を設置しました。
トレーニングルームの中には特注の酸素カプセルも。
選手専用の浴室やサウナもあります。
日本代表クラスを集め多額の投資を行う木下グループ。
狙いはドコにあるのでしょうか?
木下グループの川村卓也取締役、
卓球チームを作って結果として木下グループが知れ渡る。
効果的なものはあとから生まれてくる。
「卓球=木下」のイメージを浸透させ今後、卓球スクールなどのビジネスを始める予定です。
T.T彩たま
一方、木下とは対象的なのが埼玉を拠点とするT.T彩たまです。
運営するのは埼玉県を中心に中古車販売などを展開するトーサイアポ。
資本金9,800万円は自社で用意しましたが壁となったのが多額の運営資金でした。
トーサイアポの柏原哲郎社長、
スポンサーを頼みに行っても全く知られてなかった。
1,200枚くらい名刺を配り、足を運んで300ぐらい回った。
埼玉県内の企業を中心に駆けずり回った結果、50社以上とスポンサー契約を結び資金を集めました。
また苦労したのが、世界ランク10位以内相当の選手1人以上と契約を義務付ける独自ルールへの対応。
エースの吉村真晴選手ですら世界ランクは27位。
そこで香港出身で世界ランク9位の黄鎮廷選手を招きました。
ほかにもポルトガルの選手などを契約し海外勢と日本選手の混成チームを作りました。
さらに、
たいらりりあです。
3歳です。
なんと埼玉県内に住む3歳の天才卓球少女「平鈴莉空さん」と契約。
同じく3歳で卓球を始めた福原愛さんのように英才教育を施します。
話題作りもすることで毎試合2,000人の観客動員を目指します。
株式会社ドーム
[blogcard url="http://www.domecorp.com/"]
手探りで始まったTリーグですが卓球ブームの到来を予測する企業もありました。
アンダーアーマーを日本で展開するドーム。
今回、Tリーグ全チームのユニホームスポンサーになりました。
ファッションモデルだったこともある木下アビエル神奈川の浜本由惟選手は、
動きやすいうえにデザインも色もかわいいので女の子全員が着たくなる服だと思う。
Tリーグのユニホームは機能面に加え、デザイン性を重視したといいます。
卓球用品を手掛けるのは初となるアンダーアーマー。
スポンサーを引き受けた背景にはしたたかな狙いもありました。
ドームの安田秀一会長は、
アンダーアーマーはアメリカが中心なのでアジアの市場は日本が引っ張る必要がある。
卓球はアジアの中で大きなスポーツなので、ぜひ挑戦したいなと。
株式会社コナミスポーツクラブ
[blogcard url="https://www.konami.com/sportsclub/"]
また卓球人気の高まりを見越して個人経営が多かった卓球スクールビジネスに大手スポーツクラブも今年参入しています。
Tリーグの課題
前途洋々に見えるTリーグ。
しかし、プロリーグとして利益を生み出すことは簡単ではありません。
試合のチケットは高い席では10万円しますが安い席は1,000円から。
1試合あたり2,000人の観客が入ってもチームに分配されるお金は1,000万円に満たないとの予測も…
Tリーグは収入源を増やすため今後はアジアやヨーロッパに試合映像を配信し、放映権ビジネスも確立していく考えです。
Tリーグの松下浩二チェアマンは、
Tリーグというのは日本の卓球界を背負っている。
選手がTリーグを活用して2020年に結び付けてほしい。
Tリーグをビジネス的にも成功させて東京オリンピックにつなげることはできるのか?
リーグと企業の二人三脚が始まります。