新しいアイデアや技術で今までの常識や社会の在り方を変える「若きゲームチェンジャー」に迫る新企画です。
第1回の今回取り上げるのは自動運転ソフトを開発するティアフォーの創業者、加藤真平さんです。
東京オリンピックの会場で使用されるトヨタの自動運転車「e-Palette」にそのソフトが搭載されたほか、国内外にある200以上の企業がこのティアフォーの技術を採用しています。
世界を相手に戦う日本の変革者を追いました。
株式会社ティアフォー
[blogcard url="https://tier4.jp/"]
街中を走る1台のタクシー。
よく見てみると運転手がいません。
車内ではハンドルが勝手にグルグル。実はこれ、自動運転タクシーの実証実験の様子です。
この車、一体どうやって動いているのか?
待っていたのは自動運転技術の開発者、加藤真平さん。今回のゲームチェンジャーです。
これが実験車両で一般で使われているタクシー車両。
実はこの車、車体には至るところにセンサーやカメラが設置されています。
さらにトランクには大量のコンピューターが…
早速、乗ってみます。
出発します。
今動き出しました。自動でハンドルが動いています。
運転手は全く操作していません。ハンドルはなぜ自動で動くのか?
車が交差点に差し掛かりました。
運転席のモニターには何やら特殊なマップが。
画面を見ればわかるが、例えば今車が何台走っているか、何メートル離れているか。
コンピューターはかなり正確に計算できる。
モニターにはセンサーなどが捉えたトラックの様子が映し出されています。
搭載されている人工知能が車の進路を予測。歩行者の動きまで表示されています。
適切なタイミングで曲がることができました。
しかし、こんなことも…
自動車が突然止まりました。
赤信号と誤認識して止まろうとした。
こういう実験をいかに繰り返して、間違えたときにAIに間違っていると記録するのが重要。
加藤さんが率いるのが自動運転のソフトウェアを手掛けるティアフォーです。
従業員およそ200人のベンチャーですが、戦うのは世界の名だたる企業です。
自動運転をめぐっては自動車メーカーで時価総額1位のテスラやグーグルなど名だたる企業が開発に乗り出しています。どうやって戦うのでしょうか。
グーグル規模の会社にティアフォー1社で挑んでも勝てない。
オープンソースといって自分たちが開発したプログラムを一般公開して誰でも使えるようにした。
"ゲームチェンジャーの強み"は…
自動運転技術のオープン化。
グーグルなどの大企業は巨額の資金をもとに自社で技術を開発。その技術を囲い込み、シェアを握ろうとしています。
それに対しティアフォーは土台となるソフトウェアを無償で公開するオープンソース戦略を取りました。
自動運転へのハードルが下がり、アメリカのインテルなど世界で200社以上がティアフォーのソフトウェアを採用しています。
グーグルの自動運転会社はアメリカの3州でしか実験できていない。
ティアフォーと世界連合はもうすでに20ヵ国以上で実験を展開できている。
最終マーケットができたときに勝負の分かれ目が地域に対応しているかだとする僕らのほうが優位性はある。
そんなティアフォーに先月、強力なパートナーが加わりました。
去年、EV市場への参入を発表した台湾の鴻海精密工業です。
鴻海はiPhoneの製造などを手掛ける売上高20兆円、世界最大級の電子機器製造会社です。
鴻海が作るEV車にティアフォーの自動運転が搭載されます。
またEV市場への参入を表明しているアップルがiPhone同様、鴻海に製造受託するのではないかといった噂も囁かれています。
可能性でいうと鴻海みたいな製造を請け負う会社がアップルカーを作るのはありえる。
鴻海と組むのは自分たちのビジネスの可能性をかなり広げてくれる。
若きゲームチェンジャーが描く未来とは…
世界中のEVにティアフォーのテクノロジーが入る。そういう未来を思い描いています。