新たな働き方について考えるシリーズ企画「働き方スイッチ」。
働き方改革で生産性の向上が求められていますがオフィス環境も仕事の効率に大きく影響します。
自由に席を選べるオフィス、実は集中して仕事をするには向かないという声もあります。
そこでメガネチェーン大手のジンズはメガネを使って集中力が高まるオフィスを開発しました。

パナソニック株式会社
[blogcard url="https://panasonic.jp/"]
パナソニックの東京のオフィス。

去年、大改革を行いました。
パナソニックラボラトリー東京の井上あきの所長、
こちらはワークプレイス。好きな場所に座って仕事をするスタイル。

様々な分野の技術者が集うこちらのオフィスではコミュニケーションが取りやすいよう開かれたつくり。

パナソニックの井上翔宇さん、
「あの件どうなっている?」など軽い打ち合わせが多いときは一番いい。

パナソニックでロボットの研究を行う井上さん。開かれたオフィスのメリットを感じる一方で、
集中したい時は別の席に行く。

実はほとんどの人はオフィスで集中できていないという声も。

街で聞いてみると…

オフィスでは集中できない。向かい合って座るので目の前に人がいて。

外の方がはかどる。

全員オープンスペースだが構われると集中できないときもある。

大勢の人が働くオフィスではコミュニケーションが取りやすい反面、集中して仕事をすることには向かないといいます。
そこで井上さんが向かったのは…

静まり返った暗がりの一本道を進むと、その先にはパナソニックのもうひとつのオフィスがありました。

耳を澄ますと心が安らぐ自然の音が。

ガッと集中したいときに最適な空間。

気分を切り替えないと出ない発想や頭の中で物事を整理したいときに使うと効果的。

このオフィスを開発したのはメガネチェーン大手のJINS(ジンズ)です。

株式会社ジンズ
[blogcard url="https://www.jins.com/jp/"]
なぜジンズがオフィスを手掛けたのか?
その利用を聞くためにジンズの本社を訪ねました。

オフィスには大型の机が並び、社員は自由に席を選んで仕事をすることができます。

ジンズホールディングスの堀友和さん、
コミュニケーションなどをしてもらうためにオープンであることをイメージして作った。

ジンズは5年前に社内の活性化をはかるためにこのオフィスを自ら設計しました。

誰にでもすぐに相談しやすいのがいいところ。

コミュニケーションは仕事をする上で重要。

コミュニケーションは取りやすくなりましたが、一方でこんな声も、
話し声があるときは作業を中断せざるを得ない。

株式会社Think Lab
[blogcard url="https://thinklab.jins.com/"]
そこで集中して仕事ができるように2年前にもうひとつのオフィス「シンク・ラボ」を作りました。

特徴はすべての席が窓側を向いていること。

他の人の目を気にすることなく仕事ができます。
さらに緑で視界が遮られ集中できる席や、視線をやや上向きにすることでアイデアが出やすくする席など工夫を凝らしています。


ジンズはこのシンク・ラボを商品化し、パナソニックなどに提供しています。

Think Lab 汐留
さらにこのシンク・ラボをより多くの人に利用してもらおうとジンズは来月から誰もが利用できるシェアオフィスとして展開します。

入ってすぐアロマのいい香りが漂っています。落ち着く香りです。

その先のワーキングスペースは、
落ち着いた緑の空間。川のせせらぎと鳥の鳴き声、さえずりが聞こえます。

川のせせらぎは足元から、鳥のさえずりは天井から流れています。


ブースの空間は完全には遮断されていませんが、人の動きや目線が気にならなような作りになっています。

閉めてしまうと本当に外界からとは遮断された感じ。自分だけで集中できる感じがする。

ここで実際にどのくらい集中できるかジンズが開発したメガネを使ってはかってみます。

このメガネはまばたきや目線の動きから集中度をはかるものです。
集中して本を読むこと15分。

15分読書をした結果がこれです。

15分間のうち集中した時間は34%。そのうち6%が深い集中でした。


この空間だと他の人の目線も気にならないし、本当に1人の世界に没頭できるのでパフォーマンスが上がるような気がしました。

別のオフィスで同様に本を読み続けた結果は…

ジンズの調べでは深い集中に入るためには23分かかります。

ただオフィスでは11分に1回は話しかけられたり、メールやSNSが来たりするといいます。

15分後…

気になりますね、人の目線とか。私に話しかけられていなくても人の声や笑い声や足音などが気になります。

集中した時間の合計は6%。深い集中は0%でした。

シンク・ラボを開発した井上一鷹さん、いま集中できるシェアオフィスが求められているといいます。
コワーキングスペースという施設がいっぱい増えていると思うが、コワーキングというのはコミュニケーションのため。

オフィスを離れてどこかでテレワークするとか、外で働く時に選ぶのはコミュニケーションのための施設しかない。

1人でソロワークするような場所を作るとニーズがあるとチャレンジした。
