伊賀の里モクモク手作りファーム
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忍者の里として有名な三重県伊賀市。
ここに年間50万人が訪れるテーマパーク「伊賀の里モクモク手作りファーム」があります。
園内では子ブタのショーやポニーの乗馬体験など動物と触れ合ったりできます。
なかでも人気を集めているのが子牛のミルクあげや牛の乳搾りなどの酪農体験です。
伊賀の里モクモク手作りファームは農業のテーマパークです。
松尾尚之社長は
最先端でもないが、われわれがやっている事業はみんなが理想とする事業ではないか。
伊賀の里モクモク手作りファームは1988年に農協の元職員を中心に設立されました。
農業を営みながらハムなどの食品加工を手掛け、さらに自分たちの力で販売する。
1次産業(生産)、2次産業(加工)、3次産業(流通・販売)の要素を全て取り入れた6次産業の先駆けでした。
設立の翌年の1989年に始めたウインナーの手作り教室が評判となり、徐々に体験型を増やしました。
その中でもイチゴ狩りは大人気です。
さらに1995年からは入場料も設定して本格的に農業テーマパークになっていきます。
集客は増え続けウインナーやハムは飛ぶように売れていきます。
2014年度の売上高は54億円にもなります。
こうした一挙両得な発想は海外からも注目となっています。
中国からの視察団
中国国内でも農業テーマパークを立ち上げたいと中国から視察団が訪れています。
農業から加工、レストランを一つにしたテーマパークなんて見たことがない。すごくいいと思う。
伊賀の里モクモク手作りファームの成功などをきっかけに日本国内でも農業テーマパークが増え続けています。
農業は人を集めるコンテンツになろうとしています。
白ハト食品工業株式会社
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農業テーマパークに注目する食品メーカーの「白ハト食品工業株式会社」。
全国でサツマイモ菓子店「らぽっぽベーカリー」を展開しています。
永尾俊一社長は農業テーマパークには単なる6次産業を超えた可能性があるといいます。
農業テーマパークにすることで食品加工メーカーとしてのノウハウと農業のノウハウだけでなく、これからのIT産業だったり地元企業とのコラボが出来て、いろんなハイブリッド型の新しい農業の仕組みが出来る。
なめがたファーマーズヴィレッジ
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茨城県行方市、日本有数のサツマイモの生産地です。
2015年10月、白ハト食品工業株式会社はこの町に新たしい農業テーマパーク「なめがたファーマーズヴィレッジ」を開業しました。
地元で採れたサツマイモの販売に大学イモの詰め放題サービスなどサツマイモに絞ったテーマパークです。
農業を体験できるのが最大のウリです。
サツマイモの苗植え体験ができるほか、サツマイモが原料のお菓子作り教室などが体験できます。
1次産業の経験のない白ハト食品工業株式会社と手を組んだのは地元の農協「JAなめがた」でした。
ここ30~40年で生産農家が半分にまで減少するなかテーマパークは産地の絶好のアピールになると考えています。
JAなめがたの棚谷保男代表理事は
どうしてもサツマイモというと鹿児島のイメージがある。サツマイモを中心に行方市を発信していきたい。
新商品の開発
なめがたファーマーズヴィレッジでは白ハト食品工業株式会社が今まで手掛けてこなかった新たなサツマイモ菓子の開発が行われています。
お客様は夏は焼き芋とか温かいものよりも冷たいものを食べたいと思う。
冬のイメージが強いサツマイモ。
夏に向けたメニュー作りが必要でした。
焼き芋をコーンに見立てたソフトクリーム。
冷たいままで焼き芋を食べるということはないですよね。
社員全員が納得する味です。
バーでは芋焼酎を飲みながら干し芋の食べ比べが出来るサービスも用意しました。
お客様を飽きさせない様々な工夫をしています。
多い日で1日3,000人が訪れるなど予想以上のスタートです。
雇用
なめがたファーマーズヴィレッジは地元から150人を雇用しました。
2015年10月から勤務している一条穂乃樺さんと一条沙耶華さん姉妹。
2人の家はサツマイモ農家ですがサツマイモにこれほどの魅力があるとは気付かなかったといいます。
この施設を作ってもらったことでサツマイモの可能性が広がったと実感。
4月27日、一条さん姉妹は自宅の畑を訪れました。
ある決意を父親の克之さんに伝えるためです。
サツマイモ農家を継ぐ。
娘からの思いもよらない嬉しい言葉。
2人は地元のサツマイモを全国に広めたいという気持ちが高まったといいます。
若い人がやるようになれば、また農家も盛り上がりが出てくる。
後継者の育成にも繋がりだした農業テーマパーク。
6次産業化の枠をも超え始めています。