国際社会からの制裁が強まる中、ロシアは制裁に加わった日本や欧米各国などを非友好国に指定しました。ロシアで事業を展開する日本企業も厳しい選択を迫られています。
対露制裁で現地 日本企業は…事業継続に壁 駐在員は退避へ
ロシアの首都モスクワ。日本の医療機器メーカー「テルモ」の現地法人を訪ねました。
テルモロシアの上野稔社長。
血管内治療といって、心臓への治療経路を手首の血管から入れていく。
心臓手術に使うカテーテルなどの器具がロシアで高いシェアで、およそ300の病院に卸しています。
しかし…
SWIFT(国際決済網)が止められたので支払いをどうするかの調整がある。
取引先が使う銀行が一部制裁の対象となったため、急きょ別の銀行口座を作ってもらうなどの作業に追われていました。
さらにロシアの通貨ルーブルが急落しているほか、物流も滞りつつあり、ビジネス環境は悪化しています。
こういう社会状況であれ、ロシア云々ではなく、すべての治療が必要な患者に必要なものを届けるのは責務なので。
現時点ではどうやったらオペレーション、ビジネスを継続できるか、そこしか考えていない。
先週末はこう述べ、ロシアに残ってビジネスを続けるつもりだった上野さん。3月8日に改めて取材すると…
外務省基準でロシアの危険度レベルが3に上ったことを契機に私は日本に退避してリモートで働くことになった。
現時点では事業を継続する方向だが、この事象は数年にわたって影響が出るので長期間にわたってどうなるか見る必要がある。
ロシアで事業を展開する日本企業ではトヨタや日産など自動車各社が現地駐在員の退避を進めています。
また事業についても任天堂は決済業者がルーブルの取り扱いを停止したため、ロシア向けのオンライン販売を一時停止。
クレジットカード大手のJCBもロシアでの決済を14日から制限すると発表しました。