自民党の圧勝でもう一つ今後加速する可能性があるとみられているのが原発の再稼働に向けた議論です。今後、議席を倍増させた日本維新の会も再稼働に前向きな姿勢を示しているので与野党から再稼働を求める声が上がっている状況です。こうした状況をどう見ているのか、原発が立地する地域の住民の声を聞きました。
電力需給ひっ迫の救世主!?水面下で支える発電所とは
連日の暑さが続く今年の夏。電力の需給ひっ迫が懸念される中、東京電力は全国の電力需給を水面下で支えるある施設を公開しました。
中垣正太郎キャスター

私はいま群馬県上野村にある上野ダムに来ています。午後1時すぎ現在、水位は一番低いところまで下がってきていますが、電力消費ピーク時には水位が30メートルほど上がってくるということです。
ダムの水を使って発電させる揚水発電です。揚水発電とは上のダムから下のダムへと水を落とし、その力で水車を回して発電します。夜になると下のダムから水を汲み上げ、翌日の発電に備えるのです。
東京電力が管轄する神流川発電所はほぼ毎日稼働。今年3月と6月の電力ひっ迫時には通常の倍以上の発電で関東の電力需給を支えたといいます。
中垣正太郎キャスター

いまから揚水発電所の心臓部の中へと入っていきたいと思います。
地表から500メートルの空洞に発電機があります。発電機1基の最大出力は47万キロワットでおよそ15万世帯分の電力に相当するといいます。
中垣正太郎キャスター

赤い部分が発電機の上部になります。この地下9メートルに発電機、そして水車があります。そこで発電した電気を奥のパイプを通して関東方面へと送っています。
ただ揚水発電が主力発電になるには課題があります。水を汲み上げるのに火力発電の電気に頼っているため脱炭素の流れの中で代わりの電力を探す必要があります。
東京電力カリニューアブルパワー
広報・渉外担当
宮田雅史さん

収支的なものをしっかり考えて経済性が一番のハードルになっている。
再エネの状況など世の中の動向を見ながら判断していく。
参院選受け再稼働が加速!?原発への意識に変化も…
安定的にどう電力を確保するのか。差し迫る問題をめぐって市民の意識にも変化が…
20代

原発はちょっと怖いイメージがあるが、頼らなくてはいけなくなってしまう状況下でもあると感じている。
20代

何か対策できることをやって全部ダメだったときに最終手段で原発を使うのはしょうがない部分はある。
また参院選での自民党の圧勝を受けて経済界からは再稼働を要望する声が改めて上がりました。
経団連
十倉会長

できるだけ早く原発の再稼働。
地域住民の了承、安心を得るのが大前提ではあるが、これ(再稼働)を急ぐべき。
政府は今後、再稼働を加速させるのでしょうか。東京電力の管内では新潟県にある柏崎刈羽原発の6・7号機がすでに安全基準をクリアしています。しかし…
東京電力
小早川智明社長

福島の事故の反省や教訓が生かせていなかったのではないか。
原点に立ち返って直していかなければならない。
テロ対策をめぐる不備などの問題が相次いで発覚。原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令を出されています。
地元の住民は…
地元住民

私は反対。
あとの処理もはっきりしていない状況ではやはり心配はある。
ただ新潟でも今回の参院選では自民党の新人候補が再稼働反対を掲げる立憲民主党の現職を破る結果となりました。
地元住民

安全面から考えると反対。
地元の人間としては他に資源もないのでやむを得ない。