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[モーニングサテライト]【輝く!ニッポンのキラ星】国内で初めて丸のこぎり製造!静岡・袋井市 工具メーカー[天龍製鋸株式会社]

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地域で奮闘する企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。

今回は静岡県袋井市からです。日本の自動車製造を陰で支えるあるメーカーを取材しました。

国内で初めて丸のこぎり製造!静岡・袋井市 工具メーカー

静岡県西部に位置する袋井市。田園地帯と美しい茶畑が広がります。

この地に本社を構えるのが工具メーカーの天龍製鋸。工場で作っているのが直径50mmの硬い金属の棒、これを10秒でカット。天龍製鋸は国内でも珍しい丸のこぎりを専門として、生産枚数は国内1位。日本で初めて国産丸のこぎりを完成させた創業から100年を超える老舗メーカーです。

産業用のこぎり製造で成長し、2013年にJASDAQに上場。従業員210人、売上高は144億円近く、純利益を21億円を超えます。

自動車製造用をはじめ、木材用、石材用、草刈り用など年間1万種類の丸のこぎりを製造しています。

DIY向けにも需要が伸びている住宅資材用丸のこぎり。この木材用の刃は金属用の刃と比べると角度が深く鋭い形状。切る用途に合わせて刃の角度や数が変わってきます。

そして、石を切る専用丸のこぎり。硬い石を切るため刃にダイヤモンドを埋め込んでいます。大きなものだと3メートルを超え、これは墓石などに使います。

天龍製鋸の本社はスズキやヤマハといった自動車や二輪車メーカーの近くにあります。この丸のこぎりはこういったものづくりに欠かせない製品なのです。

天龍製鋸
大石高彰社長

鋼材の熱処理から刃付け、検査まで一貫した生産、安定した品質づくりが大きな武器。

のこぎりの大きさに合わせ丸く切った鋼材はまず高温の炉に入れて800度まで熱した後、すぐに油の中に入れて冷やすことで硬さを調整します。

レーザーで刃の形にしたら次は職人の技術の見せ所です。

天龍製鋸
職人歴13年
鈴木政弘さん

ここの工程では平坦度を定規とハンマーを使って精度を保つ。

定規を当てて歪みを確認し、ハンマーで叩いて平らにします。100分の1ミリの精度での調整。安定した回転を維持するために欠かせない作業です。これは100年前から変わらない加工方法でノウハウは脈々と受け継がれています。

次に硬い素材でも切れるよう刃先にチップと呼ばれる強度の高い金属を接着し刃を強化。

仕上げに研磨をすると金属の棒でも安定してキレイに切ることができる丸のこぎり。金属用チップソー。

自動車のタイヤ製造の周辺に使う一部ののこぎりにはさらなる工程も。

天龍製鋸
鈴木真生産部長

こちらがコーティングをする炉になります。
刃の寿命を伸ばす耐摩耗性、耐熱性を良くする。
長く同じような切れ味が持続できる。

この特注の機械で丸のこぎりの表面をチタンアルミでコーティングすると耐久性がおよそ2倍に向上。

丸のこぎりは硬いものを安定して何度も切れることが重要です。技術を凝縮した高品質の丸のこぎりは大手自動車メーカーの製造に欠かせないのです。

天龍製鋸
大石高彰社長

コスト自体はかかるが付加価値をつけて正当な評価の売価で。
価格競争、安売り競争ではメイド・イン・ジャパンでやる以上、海外には価格ではかなわない。
やはり品質優先。

海外に8つの支社を展開し、40ヵ国以上で販売。海外における売上高は全体の半分を占めます。

今年、中国・大連に13億円をかけて工場を増設するなど生産能力を高めています。

今後も海外での持続的な成長が見込まれる一方、課題は普及が始まっている電気自動車です。

天龍製鋸
大石高彰社長

エンジンがモーターに変わるだけで部品数が何万点減る。
単純にのこぎりの需要自体は減る。
より難しい切断材に変わってくると思う。
その時に我々ののこぎりがお客さんにとって付加価値を付けて販売できれば。
ピンチをチャンスに変えなきゃしょうがない。

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