新型コロナによって落ち込んでいた外食産業ですが、まん延防止等重点措置の解除などもあり客足が回復しています。5月25日に発表された4月の外食の売上高は前の年と比べて13.5%増えました。こうした中、飲食店予約サイトを運営する「ぐるなび」と中古厨房用品を販売する「テンポスホールディングス」が飲食店に向けた新サービスを打ち出しました。
飲食店に異業種が参入!新規出店の背景は?
東京・池袋に5月26日にオープンするカフェ「SUNNY DAYS」。
手作りのプリンを売りにしますが…
店のオーナーの三橋和也さん、実は飲食店の運営は初めてです。
スリービー
三橋和也社長
展示会のデザインや企画、設営などをやっている。
普段は展示会のブースの施工やイベントの運営などを手掛ける会社を経営。
今回、飲食業に挑戦するきっかけとなったのが…
スリービー
三橋和也社長
事業再構築補助金があり、800万~900万円とか。
開業費用の半分くらいの金額を負担してもらった。
コロナの影響で打撃を受け、事業転換などに取り組む企業に向けた国の補助金を活用しました。
さらに物件の賃料が下がっていたことも開業の後押しになったといいます。
スリービー
三橋和也社長
開業費用を一から出すとリスクが高いので非常にありがたい。
飲食店開業 コロナ前上回る!支援で異業種がタッグ
こうした飲食店の新規出店が相次ぐ中、5月25日に提携を発表したのが中古厨房機器販売の「テンポスホールディングス」と飲食店予約サイト「ぐるなび」です。
出店を希望する事業者に対してお互いが持つ飲食店経営のノウハウなどを一括して提供します。
テンポスホールディングス
森下篤史社長
囲い込み作戦。
新しいサービスの仕方をぐるなびと模索するということで。
直接店に行き、人海戦術などを探る。
飲食店に客足が戻る中、テンポスバスターズの店舗でも異変が起きていました。
店の中から厨房機器が次々と運び出され、トラックに積まれていきます。
テンポスバスターズ 川口AB館
中村純一郎店長
今はこういう状態でまん延防止等重点措置もあけているのでオープンするお客様が増えている。
店頭の在庫は品不足。
廃業する店から厨房機器を買い取り、中古として販売するビジネスですが今年の2月ごろから販売の方の需要が急速に増えているといいます。
売れ筋は氷を作る製氷機に冷凍冷蔵庫。そして…
テンポスバスターズ 川口AB館
中村純一郎店長
食器洗浄機。結構、値段が高いので新品よりも中古を探す人が多い。
こうした店を開くための厨房機器を揃えるとどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
テンポスバスターズ 川口AB館
中村純一郎店長
新品で300万円ぐらい。厨房・備品をそろえる金額。
それが150万円、100万円でそろえられる。
かかる費用が半分から3分の1にできるとあって出店コストを抑えたい事業者が中古機器を積極的に求めているといいます。
テンポスバスターズによると去年手掛けた新規の開業者の数はおよそ2万3,600人に上り、コロナ前を上回る勢いで伸びています。
この日も新たに店をオープンさせる予定の人が厨房機器などを求めて来ていました。
斉藤司さんが開店準備を進めている店を訪ねました。
内装作業が進む店内には厨房機器がそろえられていました。
開業を予定している
斉藤司さん
食洗機、作業台付きの冷蔵庫、ガス台と…オーブン。
200万円ぐらい、初期費用は抑えられた。
今後はテンポスで厨房機器を購入した店舗に対し、ぐるなびの担当者が予約サイトへの掲載などを提案。店の経営をサポートしていく計画です。
ぐるなび
杉原章郎社長
総合受注的な形でわれわれの販促とかソリューションを一緒に提案していく。
これができるというのは本当に大きなチャンスだ。