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[WBS]どう変わる?相続税!"タワマン節税"是正へ

ワールドビジネスサテライト(WBS)

タワーマンションにかかる相続税について自民党・税制調査会の宮沢会長は11月30日に「タワマン節税」について基準を作る必要があると延べ、引き上げに向けた検討を始めました。一体どう変わるのでしょうか。

"タワマン節税"にメス?

評価額が8,000万円も安い?

中垣正太郎キャスター

豊洲のタワーマンションが建ち並ぶエリアに来ました。
いま大変人気なんですが、こうしたタワーマンションを節税目的で購入する人もいて、政府・与党が是正に向けて動き出しました。

街の人に話を聞いてみると…

市民

タワマン持っている人は節税するけど、持っていない人は節税できないから、どんどん格差が広がりませんか?
やっぱり議論してほしい。

市民

相続税が上がるってことに関しては誰も良しとはしないですけれども、納得できる理由があるのか、不公平感がないのかではないか。

そのタワマン節税の見直しについて11月30日に動きが…

財務相担当
石井真知子記者

自民党本部です。
来年度の税制改正に向けて議論がきょうも活発に行われています。

政府・与党はタワーマンションなど高額なマンションを購入すると相続税を大幅に節税できるとして、今の仕組みを見直す検討に入りました。

政府の資料によると都内で築9年のタワーマンションの23階、およそ67平方メートルの物件は市場価格が1億1,900万円なのにし対し、相続税を計算する元になる評価額は3,720万円。

マンション価格が高騰する中、市場価格と評価額との間に大きな乖離が生まれています。

こうした現在の税制を利用して富裕層が極端の節税を目的に物件を購入するケースが指摘されています。

宮沢税調会長に聞くと…

記者

タワマンの節税について議論は?

自民党
宮沢税調会長

いろいろなマンションを持っている方、購入する方の安定性もある。
しっかしとした基準を作って、通達でしっかり示したい。

来年以降、国税庁が有識者による会議で評価額の算定の仕方を検討していくことを明らかにしました。

早ければ来年にも評価方法が変わる可能性があります。

節税効果 なぜ高いのか?

なぜ今、乖離が大きくなっているのでしょうか。専門家に聞くと…

円満相続税理士法人
桑田悠子税理士

タワーマンションの登場で相続税評価額と流通市場価格の差が大きいものが増えて、タワマン節税という言葉もどんどん広まって、不動産会社も販売を加速させている。

相続税は建物と土地の評価額から算出されます。

まず建物の評価額は規模や築年数などから計算されますが、市場価格が高くなるマンションの高層階や都内の一等地といった要素は評価に含まれないので市場価格と評価額の乖離が大きくなっています。

もう一つ、土地の評価額は税を取り過ぎないように低めに設定される路線価を基準に計算されます。また、条件次第で50%減額される特例制度もあります。

こうした理由から都心部などの高額物件ほど節税効果が高くなるのです。

専門家は立地や階層など不動産の評価に関わる条件が極めて複雑なことが問題の根本だと指摘します。

円満相続税理士法人
桑田悠子税理士

不動産鑑定士の評価でも一つの不動産評価額でレンジ(幅)が生じる。
これから各専門家の意見を聞いて、時間をかけて改正が実行されるのでは。

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