アパートの空室率
東京や神奈川などで近年、アパートの空室が目立っています。
アパートの空室率が35%を超える神奈川県。
その北側に位置する相模原市に取材班が向かいました。
交通の便も良く都心に通勤する人が多く住む街です。
益田健二郎さんが住宅街を歩いてみると、新築のアパートが目に入りますが入居者は少ないようです。
街のあちこちで目につくのは「空室」の看板です。
そして新築や建設中のアパート。
近所の住民は
最近、新築アパートが多いと思う。あっちもこっちもアパートを建てている。
株式会社タス
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なぜこんなに建設されているのか、その原因を専門家である不動産鑑定業者の株式会社タスの藤井和之さんは
相続税対策でいろいろなデベロッパーから営業を受けて、アパートを建てている人がかなりたくさんいる。
原因は2015年に実施された相続税の増税。
相続税がかからない基礎控除額が大きく引き下げられました。
土地も相続税の対象になるので節税のためにアパートを建てる人が急激に増えたのです。
その結果、アパートの建設ラッシュが起きて需要を大きく上回る供給過多となり、空室率を上げています。
島崎武さん
東京都町田市でアパート経営をする島崎武さん。
全部で8部屋。そのうち2部屋が空いている。
6年前にアパートを建てた島崎武さん。
最近、近所にアパートが次々に建てられ、今後のアパート経営に不安を感じています。
アパートの設備が良いだけではダメ。家賃を下げないと。なにしろ競争相手が多くなったので、急に。
入居者が引っ越してしまうと次の入居者を見つけるのが難しく家賃を下げることも考えています。
株式会社タス
アパートの建設ラッシュは今後も続くのか?
アパートの空室率を調査している不動産鑑定業者の株式会社タスの藤井和之さんは金融機関の貸出先や貸出額の推移から予測しています。
金融機関の貸し出しが増えて、その半年後くらいから徐々に空室率が上がってきている。金融機関の貸し出しは引き続き活発になっているので、今後も空室率は上がっていく可能性はある。
相続税対策を考える人は金融機関からの借り入れでアパートを建てることが多い一方で、金融機関にとっても個人の住宅ローンよりも金利が高いことから貸し出しに積極的になっています。
藤井和之さんは節税対策になるという安易な発想だけでアパート経営に乗り出すことに警鐘を鳴らします。
リスクを負うのは建てた大家。相続税対策として建てている人が多いが、10年後、20年後になったとき、かなり厳しい状況になる可能性がある。