変わる働き方をシリーズでお伝えする「働き方スイッチ」。
今回はタニタ食堂や体組成計などの健康機器を手掛けるタニタの2007年に入社した久保彬子さんの働き方に注目します。
久保さんは3年前に自ら希望して退社しましたが、いまもタニタでフリーランスとして働いています。
社員の1割が選ぶというその気になる新しい働き方を追いました。
株式会社タニタ
[blogcard url="https://www.tanita.co.jp/"]
仕事終わりの生ビール。
これに合うのが焼肉。
集まった皆さんはタニタの元社員です。
2017年に会社を辞めた。
個人事業主の看板をあげている。
これまでずっとタニタ上海本社の責任者だった。
その間にいろいろなコネクションができた。
さらに生かせることがないか考えていた。
ここにいる全員が自分の意志でタニタを退職し独立。個人事業主、いわゆるフリーランスとしていまもタニタの仕事をしています。
会社員時代と同じ仕事をする人や新たなプロジェクトに挑戦する人など様々です。
そこに現れたのが谷田千里社長です。
会社としては協力的にやっていく。
自分のやりたいことを見つけて、退職もないから。
社長が考案した社員のフリーランス化。
社員のフリーランス化
その狙いは?
自分も社長の器じゃなくて社長の職務を与えられたので成長しようと思って努力した。
勉強させられているのか、自分がしたいのか。
スキルアップや勉強も主体性が大事。
主体性が成長に繋がり、日本が元気になるというメッセージを込め「日本活性化プロジェクト」と名付けています。
タニタとの業務委託契約は3年間、1年ごとに更新する仕組みです。
勤務時間の管理がなくなり、企業の責任逃れという指摘もありますが…
こんな仕組みにしたら会社が崩壊するとか誤解されていると思っている。
久保彬子さん
社長の横で肉を焼く女性。
3年前にフリーランスの道を選んだ久保彬子さん(35歳)です。
入社後10年間、営業の第一線で活躍してきましたが一体なぜ?
定年に縛られる働き方はしたくない。
一つの会社で一つの仕事をしていくのではなくて、プロジェクト単位や複数の企業と仕事をしていく働き方をしていきたい。
フリーに転身後、久保さんの生活は大きく変わったといいます。
ある日の午前10時、タニタ本社に久保さんの姿がありました。
業務委託契約で久保さんが請け負う仕事はこれ。
私自身は全くゲームをしない人。
タニタでは異例となるゲームコントローラーの企画・商品化です。
資金調達で久保さんはクラウドファンディングを活用し総額1億3,000万円を調達。商品化にこぎつけました。
今だと自分で仕事を取っていく意識。作り出していく意識。
変わったのは主体性だと思う。気持ちは全く変わっている。
そして午後3時、久保さんが向かったのは…
町中の銭湯です。
実は久保さん、銭湯の魅力を動画で発信。
日常の中の非日常。
自由な時間が増えたことで新商品のアイデアも。
サンプルなんですけど歩数計。歩いて銭湯に行こうと。
うまくいけば商品化して販売する。
午後5時、久保さんは銀座にやって来ました。
女性起業家などに向けたイベントの打ち合わせです。
日本女性起業家支援協会の近藤洋子さん、
資金を調達するのにクラウドファンディングにノウハウが詰まっていると思う。
久保さんに力を貸してほしいなと思って。
やりましょう。
タニタで経験した資金調達のノウハウをイベントで披露してほしいという依頼でした。
自分に興味あること、関心あることをプライベートでやっていく中で仕事につながるとか考える時間が増えている。
そして…
会社員の頃にはなかった大仕事が!
確定申告です。
領収書の束を整理します。
水道代とか光熱費の一部は経費対象になる。
自宅の水道代や焼肉店の領収書、なかにはこんなものも…
お客様とゴルフに行って、仕事のために必要で使ったもの。
そのまま税理士に渡して確定申告の準備をしていただいている。
事業に関わるお金は経費となり控除の対象となるため金額によって収入が変わってくるのです。
そして気になる収入は…
手取は増えている。
3割増えている。
一方、加入する社会保障サービスが変わりました。
会社が負担していた厚生年金は国民年金基金に、個人型確定拠出年金にも加入しました。
賛否の声も上がる会社員のフリーランス化。
久保さんにとっては、
65歳でも70歳でも80歳でも90歳でもずっと仕事がしたい。
そういう意味では個人事業主はやり方として良い。