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[WBS] 過去最大の買収劇…武田薬品!なぜ「グローバル本社」を建てた!?

2018年7月2日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

アイルランドの大手製薬会社「シャイアー」の工場。

武田薬品工業はこのシャイアーを日本でおよそ7兆円という日本企業としては過去最大の金額で買収すると発表しています。

さらに武田が7月2日に武田が公開したのは日本橋に新たに建設した武田グローバル本社です。

その総投資額は660億円程だといいます。

創業から230年以上の歴史があり過去には保守的ともいわれた武田ですが、いま急速にグローバル化を進めています。

なぜ巨額のリスクを取ってまでこのグローバル化を図るのでしょうか?

社長に独占インタビューをしてきました。

武田薬品工業株式会社

[blogcard url="https://www.takeda.com/ja-jp/"]

武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長、

このグローバル本社は70もの国でビジネスをする武田の象徴的な存在だ。

7月2日、武田薬品工業が公開した武田グローバル本社。

およそ660億円かけて建設した地下4階、地上24階建ての新しい本社ビルです。

大江麻理子キャスター、

木に包まれているようなイメージですね。

経営企画部の福富康浩部長は、

ヒノキをふんだんに使っている。

ここは人と人が出会うところなので「人」という文字が。

壁に飾られた木のアートにはそれぞれ意味があり、武田の成長の意味を込めた「木」や「土」といった漢字をデザインしています。

武田はグローバル化している。グローバル化しても日本の企業というアイデンティティーを出したい。一方でイノベーションを示せるようなオフィスにしたいと。

いまや全従業員の8割が外国の人材だという武田。

新本社は様々な国の従業員が利用することを想定したつくりにしています。

例えばカフェのメニューは英語と日本語で表記。

日本の特産物を使った和食のほか、スリランカのチキンカレー、サラダバーなど洋食も充実させています。

役員フロア

今回、WBSにだけ公開した場所がこちら。

通常、役員しか入れないフロアです。

世界とテレビ会議をするための仕組み。

実は武田の経営を支える中枢メンバー14人中、日本人は3人しかいません。

アメリカやスイスの拠点にいるメンバーと常に打ち合わせができるようにこうした部屋を用意しているのです。

さらに、

いろいろな言語で会議をするので同時翻訳の準備もしている。

ここからの眺めはこういう感じなんですね。

クリストフ・ウェバー社長

なぜここまで社内のグローバル化に力を入れるのか?

クリストフ・ウェバー社長が7月2日、WBSの単独インタビューに応じました。

私たちは有能な人材の争奪戦を世界の大手製薬会社と繰り広げている。

そのため新本社では最も働きやすく魅力的な環境を追求した。

武田は5月に日本企業では過去最高の7兆円でアイルランドの製薬会社大手シャイアーの買収を決定。

しかし買収検討が明らかになった直後から株価は大幅に下落。

時価総額1兆円が吹き飛びました。

株主からは「財務状況を悪化させる可能性がある」として懸念の声も…

シャイアーの買収は成長市場である北米や新興国での武田の競争力を強化する。

「武田が自力で強くなるのは難しい?」

私たちは十分成功しているがシャイアーの買収は武田の成長を加速しより強い企業にする。

競争がさらに厳しくなる中、私たちがより強くなることは重要だ。

世界の製薬企業を取り巻く状況はさらに厳しさを増すというウェバー社長。

新本社の存在が鍵を握るといいます。

世界の製薬大手と互角に戦うグローバルリーダーである武田の象徴がこのグローバル本社だ。

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