地域で奮闘する企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。
今回は和歌山県海南市からです。コロナ禍で自宅での快適なライフスタイルへの需要を背景に売り上げを伸ばす企業を取材ました。
"庭のある暮らし"需要が増加!
ここは住宅関連の展示場。
中に入ってみると立派な玄関やバルコニー、ここは庭、肝心の部屋が見当たりません。
タカショー首都圏営業
橋本勝彦さん
こちらは庭と外構専門のショールームです。
コロナ禍でおうち時間が増えたことで庭などを快適な空間にしたいという需要が増加。実際にショールームに来るお客さんも増えているといいます。
和歌山県北西部に位置する海南市。
トイレ、バス、キッチン周りなどの家庭用品の国内最大の産地であるこの町でガーデニング業界最大手タカショーの本社があります。
従業員は822人。
コロナ禍で高まるガーデニング需要を背景に2022年1月期の売り上げは207億円を超え、また純利益は10億円に上ります。
タカショーの看板商品がエバーバンブーです。
タカショー
高岡伸夫社長
一見、普通の竹垣に見えると思うがプラスチック。
これは車のバンパーやヘルメットに使われている強化プラスチックで半永久的にもつと言われている。
実際に天然の竹から型取りしたものなので見た目は本物の竹そのもの。
石川県の高級旅館「加賀屋」や箱根の古湧園などでも使用されています。
タカショーの看板商品がエバーバンブーです。
タカショー
高岡伸夫社長
地場産業のシュロ縄を父親が作っていた。
当初は家業である海南市の地場産業のひとつシュロ縄などの製造販売の手伝いをしていました。
タカショーの看板商品がエバーバンブーです。
タカショー
高岡伸夫社長
父の店は株式会社ではなかった。
1980年に友人と家内4人で作ったのが株式会社タカショーのスタート。
最初はシュロ縄を使ってもらう業種を回っていた。
アメリカに視察に行ったらライフスタイルメーカー、カテゴリーキラーという企業を見つけてガーデンの会社もできるだろうと思い作ったのがタカショー。
庭は"5番目の部屋"開発力で成長
こだわりは企画から製造、販売、サービスまで自社による一貫体制。
豊富なプランや商品力が住宅メーカーなどに高く支持され成長。
1998年にジャスダックに、そして2018年に東証一部に上場しました。
タカショー
高岡伸夫社長
日本では家を間取りするだけで終わるが、海外ではテラスと中の部屋を開けてひとつの部屋を作る。
それを「5th ROOM」と呼んでいる。
家でもなく庭でもなく、その中間領域の「5th ROOM」が一番心地よい。
リビングの延長のようなポーチガーデンや屋根付きのテラスを設けた庭ハウスなど、庭をリビング、ダイニング、キッチン、寝室に次ぐ5番目の部屋としたライフスタイルを提案しています。
さらに2005年には現在の主力商品のひとつでもあるエバーアートウッドを発売。
タカショー
高岡伸夫社長
これは本物の木のように見えるが実はアルミに特殊な屋外で使える強化シートをラッピングしている。
シートなのでデザインも自由。木目や大理石など簡単にリアルな質感を表現できるようになりました。
また海外事業にも力を入れ、製造拠点を中国にもち、イギリスやアメリカなど9ヵ国に展開しています。
タカショー
高岡伸夫社長
関西国際空港に近くコストが安くて地方で良い人材が集まる。
地の利を生かして和歌山の海南市から世界に出ていこう。
高岡社長が次に注目しているのが光。
海外では当たり前の庭をライティングする文化をヒントにさまざまな商品を開発。
こちらは新商品の「デザイニング スポットライト」。
前面のガラスフィルターに凹凸をもたせ、ムラのある光で幻術的な空間を演出しています。
さらにタカショーがいま力を入れているのがデジタルトランスフォーメーション(DX)。
デジタル技術を活用して顧客目線の提案を考えています。
そのひとつが「メタバガーデン」というアプリ。
タカショー プロユース企画部
塩路耕太郎さん
フェンスを選択すると登録されている商品が並んでいるのでサイズとカラーを選択する。
何もない空間に配置できる。動かしたり、カラーを変えることができる。
AR(拡張現実)機能によりスマホをかざすだけで今いる場所に商品を簡単に試し置きができるのです。
これによりリフォーム会社などがお客さんに提案する際にざわざわ設計図を描かなくても済むようになったといいます。
タカショー
高岡伸夫社長
住宅メーカーも庭付き住宅を出すと非常に売れ行きが良いというのは日本だけではなく世界中に広がってきた。
「庭から作った住まい」という考え方。
お客様の百人百様それぞれのスタイルで暮らせる形を作っていきたい。