老舗百貨店の高島屋は9月25日、東京の日本橋にある旗艦店の新館をオープンさせました。
新しい店が目指すのは脱百貨店です。
株式会社髙島屋
[blogcard url="https://www.takashimaya.co.jp/"]
9月25日にオープンした日本橋高島屋S.C.。
スーパーマーケットや美容グッズを売る店など115店舗が入っています。
店名にある「S.C.」とはショッピングセンターの略です。
この新館は入居店舗から賃料をとるテナントビルとして運営。
脱百貨店を目指した店なのです。
ショッピングセンターにしたことで営業時間の特徴が…
末武里佳子キャスター、
こちらはお粥専門店なんです。朝早くからオープンして出社前のビジネス客を呼び込む狙いです。
お粥専門店やベーカリーなど13店舗が午前7時半から営業開始。
出社前のビジネスマンの取り込みを狙っています。
伝統や統一を重んじる百貨店に対してショッピングセンターは自由度が高くテナントの事情に合わせて営業時間をずらすことが可能になりました。
さらに会社帰りの女性に向けて茶道教室やヨガスタジオなど「体験型」の店舗も導入しています。
こうしたサービスを提供することで「普段遣い」できる店というイメージを広げます。
お客様は、
ちょっと高級感があるが来やすくなるかな。
建物が重要文化財に指定されている日本橋高島屋は高島屋の旗艦店です。
その旗艦店が脱百貨店に大きく舵を切った背景にあるのはお客様の高齢化があります。
今回の新館で周辺のオフィス街で働く人やファミリー層を取り込む狙いです。
高島屋日本橋店の田中良司店長は、
中央区商圏の江東区などを含む臨海エリアのタワーマンションの30代~40代の客層に来てもらいたい。
またショッピングセンターへの初出店となる高級飲食店を誘致するなど高島屋というブランドを生かしながら伝統と新しさが交差した、これまでにないショッピングセンターを目指します。
日本橋高島屋S.C.と名乗る以上、歴史ある日本橋に恥じない商品をそろえている。
J.フロントリテイリング株式会社
[blogcard url="http://www.j-front-retailing.com/"]
脱百貨店を先行する企業があります。
大丸松坂屋を運営するJ.フロントリテイリングです。
J.フロントはテナントへ場所を貸すことで収益を上げています。
さらに新たに参入するのが保育事業。
その最初の保育園が来年4月に開園予定です。
幼児塾などを経営するやる気スイッチグループと業務提携し、質の高い保育を提供。
百貨店の顧客である富裕層を取り込む狙いです。
新しい保育園で園長を務めるのは尾藤拓史さん。
向かった先はある保育園です。
緊張するけど身が引き締まる。また違った感じでよしやるぞとなる。
実はいま、来年の開園に向けて園長の見習い修行中です。
尾藤さんはこれまで23年間、松坂屋上野店などで外商を担当してきた営業マン。
保育事業に携わるのはこれが初めてです。
百貨店の時には楽しい買い物をサポートしたいというのを自分のフレーズにしていた。
子供たちには楽しい毎日をサポートできる園にしたい。
保育事業への参入は本業へのシナジー効果を期待できるといいます。
藤野晴由執行役常務は、
百貨店はわれわれのひとつのチャネル。
どんなチャネル、商品、サービスを提供するか考えるのがこれからの時代。