シリーズ「ケーザイのナゼ?」。
国内で去年1年間に家庭から廃棄された衣類は49.6万トンと推定されています。
これは25メートルプールに入っている水およそ2,000杯分と同じ重さです。
衣類の廃棄が大きな環境問題となる中、スーパーや百貨店などの小売が相次ぎ自ら回収しようと動き始めています。
一体ナゼなのか直撃リサーチしました。
株式会社髙島屋
[blogcard url="https://www.takashimaya.co.jp/"]
東京・日本橋の髙島屋日本橋店。
衣料品売り場に並ぶのは秋冬の新作。
実はこちらの商品、ある特別な素材でできています。
タグをよく見てみると服由来の再生ポリエステルとありますが、服由来とは?
髙島屋のMD本部、橋祐介さん。
原料に洋服とか繊維のくずが含まれている。
回収した服を原料に使いながら、それをベースにまた洋服を作っている。
こちらのスーツや婦人服にも古着から再生したポリエステルが含まれています。
実は髙島屋、6月と10月に初めて不要となった洋服を店内で回収。
リサイクル事業を手掛ける会社とも提携して再生ポリエステルを生産し、それを原料に新たな洋服として製造・販売する取り組みをこの秋から本格的に始めました。
しかし、ナゼ百貨店が衣料品ののリサイクルに取り組むのでしょうか。
小売りだからこそさまざまなブランドや会社と連携しながらお客様に再生した商品を提供できる、こういった道筋が描ける。
こうしたリサイクルを集客につなげようとする動きも広がっています。
今月全国108店舗で衣料品の回収を始めたイトーヨーカドー。
レジには古着を持ったお客様の姿が…
5点ですね。
こちらの女性が持ち込んだのはセーターなど5点。
すると…
ご利用ください。
手渡されたのは10%オフのクーポンです。
服1点につき1枚もらえて衣料品売り場で使えます。
捨てるよりはいいと思い持ってきた。
「10%オフクーポンがなくても回収に持って来たか?」
もしかしたらそのままごみで捨てたかもしれない。
ナゼ、回収とクーポンの配布をセットにしたのでしょうか?
イトーヨーカ堂の衣料雑貨部、河端晃史さん。
衣料品を回収すると同時に衣変えの商品を購入してもらう。
どのように資源化していくか考えると同時に実際にそれを販売促進につなげていく。
これまでに12万枚のクーポンを配布。そのうちおよそ2万枚が新たな購入に使用されたといいます。
環境への配慮と販売を結びつける動きは衣料品以外でも。
スポーツ用品大手のアルペンが展開するアウトドアの専門店「アルペンアウトドアーズ フラッグシップストア柏店」です。
新型コロナの感染拡大で密を避けるレジャーとして人気となったアウトドア。
店内は実際に商品を試すお客様の姿で賑わっています。
「何を買った?」
コールマンの椅子。
ちょっとボロくなったので新調しようと思って。
キャンプ用品を初めて購入する人だけでなく、いま買い換える人も増えているといいます。
そこでアルペンが新たに始めたのが使わなくなったキャンプ用品を買い取るサービスです。
カウンターにやって来たこちらの女性。持ち込んだのは組み立て式のライトです。
メルカリだと送ったりする手間がかかる。
捨てるぐらいならちょっとでも値段が付けばいい。
ナゼ、店内で買い取るのでしょうか?
アルペンアウトドアーズ フラッグシップストア柏店の石山泰三店長。
買い取りしたあと新品がその場ですぐ購入できる。
査定の間に店内を回って目星をつける人が多い。
その場で買い取ることで新たな商品の購入につなげる狙いです。
買い取った商品は消毒や一部メンテナンスを行い中古品として店内で販売しています。
キャンプ用品の廃棄が環境にすごく問題になっている。
そこも見据えて買い取りをして、次の人につなげていきたい。