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[WBS]拡大する宇宙ビジネス!アジア初 民間宇宙港で街が変貌!?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

アメリカのスペースXをはじめ、民間企業による宇宙ビジネスが活発化する中、注目されているのがスペースポート(宇宙港)です。北海道の小さな町がこの宇宙港をきっかけに姿を変えようとしています。

アジア初民間宇宙港誕生
5,400人の町が大変貌!?

北海道東部にある大樹町。人口5,400人の自然豊かな町です。

9月7日、大樹町に多くの人が集まっていました。北海道の鈴木直道知事の姿も。

北海道
鈴木直道知事

天気が素晴らしい。

その大樹町で建設が進んでいるのがアジア初となる民間宇宙港「北海道スペースポート」です。

いまはポツンと建物が立っているだけですが将来はロケットや宇宙船が発着する玄関口として民間企業が自由に使えるようになるといいます。

この日開かれたのは宇宙港の着工セレモニー。

大樹町
酒森正人町長

世界に開かれたスペースポートとしてきょうから整備を進めていく。

23億円かけてロケットの発射場や滑走路を整備。2024年度に完成します。

2040年に110兆円に成長すると予測されている宇宙産業。市場の拡大を見込み世界各国でロケットや宇宙船の拠点となる宇宙港の建設が始まっています。

北海道スペースポートを運営するのが小田切義憲社長。

スペースコタン
小田切義憲社長

大樹町は航空宇宙産業をやるには奇跡の場所。
東と南が海でロケットを打ちやすい。

大樹町は太平洋に面していて付近に船や飛行機の航路が少ないというメリットが。

さらにこの地域は十勝晴れともいわれ晴れの日が多いためロケットの打ち上げに適しているのです。

ここまで条件が揃うのは世界でも稀だといいます。

そんな大樹町にいち早く進出している企業がありました。

ロケット開発ベンチャーのインターステラテクノロジズ。大手商社や地元企業の支援を受け、2011年から大樹町でロケットの打ち上げ実験を行っています。

そしていま開発しているのがこちらのロケット。

インターステラテクノロジズ
稲川貴大社長

いま開発しているZEROというロケットの模型。

全長25メートル、新しい発射場が完成すればこのロケットで超小型衛星を宇宙に運ぶビジネスを始める計画です。

インターステラテクノロジズ
稲川貴大社長

人工衛星のメーカーやデータを使う企業も大樹町内に来る可能性がある。
産業のサプライチェーンはこれから徐々にできる。

こちらの会社のオフィスではおよそ60人が働いています。

インターステラテクノロジズ
従業員

岡山県出身。

インターステラテクノロジズ
従業員

千葉市の出身。
人が乗る宇宙船を開発できるような人間になりたい。

事業の拡大に合わせて大樹町に移住する人が増えているのです。

大樹町は宇宙ビジネスを町おこしの起爆剤にしようと意気込んでいます。

大樹町
酒森正人町長

宇宙の取り組みを進めるにあたって、いろいろな経済効果が見えている。
大樹町は"宇宙版シリコンバレー"と呼ばれる地域になっていけるのでは。

今後の発展を見越して町で初めてのドラッグストアができたり、町内初のコワーキングスペースもできました。さらに先月、家系ラーメンの店までオープン。

町民

コインランドリーができたり、ここ2~3年で大樹町は変わった。
ローソンもできた。
活気づいてきた。

町が一番期待するのが観光業です。道の駅「コスモール大樹」では宇宙関連のお土産を取りそろえています。

大樹町商工会
三浦祥嗣会長

「ロケットもなか」大樹で作ったロケットをイメージして作った特産品。
「隕石まんじゅう」これが飛ぶように売れる。
味は普通です。
どこにでもあるまんじゅう。

売り場の3割ほどを宇宙関連にしたところ、売り上げが5年前から2倍に増えているといいます。

観光客の増加を見込んで高級ホテルも相次ぎオープンする予定です。

果たして大樹町は宇宙港で町おこしを軌道に乗せることができるのでしょうか。

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