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[モーニングサテライト]【輝く!ニッポンのキラ星】高スペックで世界トップシェア!香川・高松市 建設用クレーンメーカー[株式会社タダノ]

モーニングサテライト

地域で奮闘する企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。今回は香川県高松市からです。洋上風力発電の建設という最先端の事業で世界に挑む、創業100年以上のクレーンメーカーを取材しました。

高スペックで世界トップシェア

四国の玄関口、香川県高松市。大企業の支店や支社が多い四国経済の中枢都市。建設用クレーン最大手タダノの本社があります。

従業員は1,467人、売り上げは2,056億円を超え、純利益はおよそ131億円です。

建設用クレーンでは国内トップシェアのおよそ54%、世界全体でもおよそ24%と常にトップ5を維持しています。

タダノ
氏家俊明社長

日本で一番普及しているラフテレーンクレーン、キャブ(運転席)が1つでそこから運転もクレーン操作もできるます。こちらは世界シェアおよそ40%。

建設現場などでよく見るラフテレーンクレーンは世界一のシェアを誇ります。

東京重機
遠藤雅直さん

他社と比べてコンパクト。
すごく乗りやすい。
他社の同じクラスのクレーンに対して少し小さい。
入れる現場と入れない現場が大きく左右してくる。

タダノが扱う国内最大クラスのラフテレーンクレーンはブームと呼ばれるクレーンのアームが最長48m、最大吊り上げ荷重100トンという高スペックなのに対し、他社の70トンクラスのコンパクトさを実現しているといいます。

それを可能にしたのがブームの軽量化。内蔵された1本の油圧シリンダがブーム内でスライドし、各段をピンで連結しながら伸縮させるシステムを開発。これにより今まで2本必要だったシリンダが1本で済むようになりました。

タダノ
氏家俊明社長

安全性と品質が一番のターゲットで誇れるところ。

その一つが安全な走行をアシストする「タダノビューシステム」。

タダノ マーケティング部長
西條佳孝さん

車の前後左右に人がいないか俯瞰で確認できる。
カメラが車両の前後左右に付いている。

前後左右4つのカメラで車両を真上から見たような映像を車内の大型ディスプレイに表示。さらに車両の左前に設置したカメラで運転席からは確認しづらい車両左側後方の視界をサポート。人が近づくとアラームで知らせる機能はクレーンでは世界初の導入です。

タダノ
氏家俊明社長

建設関係の人材不足が出てきている。
長い経験を積んでいなくても安全に操作できるものを目指している。

今までは準備をする際、一人が運転席でクレーンを操作して、一人が外でブームの装着をするなど効率がよくありませんでした。そこで導入したのがセットアップラジコン。周囲の状況を確認したら手元のラジコンでブームが操作できるため作業準備が一人で行えるようになりました。

タダノ マーケティング部長
西條佳孝さん

オペレーターさんによって旋回速度が速いとかゆっくりしてほしいという要望を受けてオペレーターそれぞれの好みに合わせて速度調整ができる。

タッチパネルでブームの旋回速度や感度の調整などができ、オペレーターそれぞれにフィーリングに合わせた操作が可能になりました。

このような技術革新の背景には国内インフラの老朽化があります。国土交通省によると全国の道路や橋について建設後50年を経過する施設の割合は2019年の27%から10年でほぼ倍増することが予想されています。

タダノはますます増えるインフラの老朽化に対応するために安全でかつ操作が簡単な製品で新たな国内需要を取り込もうとしています。

創業は今から100年以上前、1919年。香川県高松市で生まれ育った創業者、多田野益雄さんが溶接業を立ち上げたのが始まりです。

その後、1955年に日本初の油圧式トラッククレーンを開発。以来、クレーンメーカーのパイオニアとして業界をけん引してきました。

そして1972年には東証一部上場を果たしました。

そんなタダノが世界に向けて取り組んでいる新たな事業が洋上風力発電建設です。

タダノ
氏家俊明社長

超大型のクレーンが岸壁サイドで必要。
これを世界で作っているのがドイツの会社。
我々が買収した会社が最大だったので間違いなくここには行くべきだと決断した。
当然、自社で開発しようと思えば時間をかければできる。
"時間を買う"という意味でも買収に出た。

2019年にドイツに本拠地を置くDemagブランドのクレーン事業を買収。3,200トンもの資材を吊り上げられる超大型のクローラクレーンなどが扱えるようになりました。

また主力のラフテレーンクレーンにもさらなる進化が…

タダノ
氏家俊明社長

2023年度にフル電動化のラフテレーンクレーンを販売する。
脱炭素化には大きな重要性を感じている。

世界初のフル電動化クレーンで二酸化炭素排出ゼロを目指します。

タダノ
氏家俊明社長

成長するためにはいろいろな技術が必要。
顧客の一番の痛いポイントをカバーするような開発を進めればLE(Lifting Equipment:クレーン)No.1になる。

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