アンリ・シャルパンティエ
[blogcard url="http://www.henri-charpentier.com/"]
兵庫県芦屋市、洋菓子店アンリ・シャルパンティエの本店。
焼き菓子のフィナンシェやお客様の目の前で火を通すクレープ、そして名物の手作りケーキ。
ここの菓子作りを支えているのが本社の一画にある町工場のような場所。
一体何が作られているのか?
世界一の便利屋に。
株式会社シュゼット
[blogcard url="http://www.suzette.co.jp/"]
アンリ・シャルパンティエなどを展開するシュゼットは4年連続で売上が増加。
2015年度は200億円に迫る勢いです。
全国約100店舗の商品を3つの工場で作っています。
そのひとつを訪ねました。
1日4,000以上のケーキが作られる現場では職人が一人ずつブースに分かれてケーキを作っていました。
一般的なお菓子工場にある生産ラインはありません。
シュゼットの蟻田剛毅社長は、
1個づくりの「セル生産」の方が効率もいいので採用している。
セル生産方式
ケーキ作りにセル生産方式を採用。
ひとつの商品を仕込みから完成まで同じ人が作っています。
その結果、職人の技術が高まったといいます。
しかし、これで大量のケーキが作れるのでしょうか?
腕のいい職人はやり直しがなく一発で作るので効率が向上する。職人文化と効率は極めると行き着く先は同じ。
実際、職人一人あたりの生産額はこの5年で75%も向上した。
からくり回転台
さらにもう一つ生産性を支える仕組みが…。
ショートケーキを作るブース。スポンジを置いて生クリームをたっぷり回転台を回しながら形を整えます。
そしてケーキをカット。
飾りの生クリームを絞る、すると回転台が6つに分かれ広がりました。
その名も「からくり回転台」。
台が広がることで側面にフィルムが巻きやすくなりました。
これまではケーキを1つづずらしながらケーキを巻いていたため失敗することもしばしば…。余計な手間と時間がかかっていました。
ケーキ職人は、
こういう発想があるんだと驚いた。やりやすいです。
からくり回転台の導入で職人一人あたりの1時間の生産数は48個から60個に増加しました。
近藤優輝さん
ケーキ作りを覗き込む作業服姿の男性、スタジオ・シュゼットの近藤優輝さん。
売られている道具を現場は我慢して使うが、実際は「こうしたい」という思いがある。それなら自分で作ってみようと。
生産性向上のためには道具も社内でイチから作ります。
さきほどのからくり回転台も近藤さんが開発しました。
近藤さんは社内で唯一の専任工務係です。
新たな道具を生み出すのは工場の横にある建屋。工務室です。
部屋には町工場さながらの設備が。
この日も近藤さんはある道具を作っていました。
そして試作品を持って向かったのはタルト作りのコーナー。
持ち込んだのは新たな道具「タルト様3連スライサー」。一度に3つの切れ込みを入れる道具です。
使い勝手は…。
「力」いる?
いります。
はさまるな切れへん?
切れへん。
今回はうまくいきませんでした。改良を進めます。
近藤さんは自分の仕事がそのまま成果につながることにやりがいを感じているといいます。
業者に頼んだら費用がかかり納期遅れて待たなあかん。現場の要望に早く答えて効率を上げられるよう意識してる。
世界一の便利屋になれれば。
蟻田剛毅社長
道具を手作りすることで社員の意識にある変化が起こりました。
シュゼットの蟻田社長、特に現場でそれを感じるといいます。
会社への思い入れ、この会社だから働く。そういうことが大事になった。
「シュゼットのための機械」があるとないとでは大きな違い。
スーツ姿に戻った社長、人材への考えを語りました。
工業高校の人、理系の学生に来てもらいたい。お菓子作りが劇的に変わる可能性がある。
蟻田社長は会社をどう鍛え、成長させたのか?
「より良いものを毎日作る」。飽くなきチャレンジ精神を持ち続ける。それがないと会社の発展は止まってしまう。