ある業界の市場規模を示したグラフ。10年前から右肩上がりとなっています。そして、コロナ禍でも順調に成長し、市場規模は1兆円を超えています。何かというとオンラインのゲーム市場です。このオンラインゲームは半分以上が無料でも遊ぶことができます。なぜ、ここまで成長できたのでしょうか。
ゲームに100万円課金!?
若者が夢中になるオンラインゲーム。どう楽しんでいるのでしょうか。
若者
メインでやっているオンラインゲームは3つ。
番組スタッフ
どれくらいの金額を使っている?
若者
月5,000円くらい。
上限決めてやればいいかな。
ひと月のぜいたくでやっている。
若者
平均すると月に1万円くらい。
好きなキャラクターが出てきた時、ついつい課金する。
話を聞くと若者の多くはゲームに課金しているようです。
なかにはこんな人も…
若者
1コンテンツずつでみるとそれぞれ100万円超えしている。
コレクションとして手元に置いておきたいので。
全部集める。
無料なのに課金するワケは?
無料で遊べるのにもかかわらず、なぜ課金をするのでしょうか。
"無料"なのに1兆円市場
ゲームの開発現場を訪ねました。
スーパートリック・ゲームズ
石川周志さん
このグラフィックで「デスバース」を開発をしている。
デスバースはオンライン上で知らない人とも対戦ができるゲーム。基本プレイは無料です。
武器やスキンと呼ばれるアイテムを手に入れるとキャラクターの見た目も変わります。
スーパートリック・ゲームズ
石川周志さん
自分が「こんな武器あるぞ」「こういうものもかっこいい」と見せたいがための課金につながるようデザインして作っている。
強さではなく見た目にこだわる?
これまで課金の対象になっていたのはゲームの中で強くなるためのアイテムでしたが、いまは見た目に力を入れています。
一体なぜなのでしょうか?
スーパートリック・ゲームズ
石川周志さん
どうしても強さに直結するところに課金要素が入ってしまうと、ユーザーは「金を出したから強い」となることが多い。
自分だけの個性をどう出していけるかやクリアしていないと手に入らないものがゲームの中でステータスになる。
課金の仕方にも変化が。定額制、いわゆるサブスクリプションの導入が増えています。
業界大手のガンホーの森下一喜社長。その狙いを顧客の囲い込みだと話します。
ガンホー・オンライン・エンターテイメント
森下一喜社長
いま考える。企画を。
そうすると出すのは数年後になる。
いまの市場環境はめまぐるしくて早い。
そしてユーザーの嗜好もどんどん移って変わっていく。
その市場性に合わせて変えていくとか、市場もいまの状況に応じて変えていく。
進化させていくことができるのがメリット。
1兆円市場に成長したオンラインゲーム市場は競争が激化。開発には数年、費用は数十億円に上ることも。
こうした状況を一変させるかもしれないのがAI。ゲームの顔、キャラクター1万体を数十秒で作る最新技術とは…
AIでキャラ1万体を"創る"
IT企業大手のディー・エヌ・エー。AIを使ってゲーム開発を大きく変える試みをしています。
ディー・エヌ・エー
AI技術開発部
田中一樹部長
こちらは運営しているスマホゲーム。
4月にリリースしたキャラクター。
実は全てAIが生成したキャラクター。
ずらりと並ぶキャラクター。その数1万体。全てAIによるものです。しかも、わずか数十秒で作り上げたといいます。
ただ、よく見ると…
ディー・エヌ・エー
AI技術開発部
田中一樹部長
いま映しているキャラクターは口が少しギザギザしている。
ぱっと見はキャラクターっぽく見えるが違和感がある。
AIは人が実際に描いたものを学習して新たなキャラクターを描いています。
人が創り出したキャラクターと比べると立体感がなく、魅力に欠けるのだといいます。
ディー・エヌ・エー
AI技術開発部
田中一樹部長
人間のよさや想像力はAIは持ち合わせていない。
目新しさを目指すのではなく、業務支援や裏方としてのAiを目指し、取り組んでいる。
狙いはデザイナーを始めとする開発者の支援です。
例えば人がキャラクターを線で描くと、AIが自動で色や服の模様までつけてくれます。
線を描き足すとAIがそれに合わせて服のデザインまで変えてくれるのです。
ディー・エヌ・エー
AI技術開発部
田中一樹部長
長く遊んでもらうためにはキャラクターやアバターをどんどん提供して楽しんでもらう必要がある。
そういったスピード感や物量に追いつき、期待に添えるよう提供するためにAIを活用しサポートしていきたい。
キャラクターのデザインだけでなく、効果音でもAIの活用を考えています。
ディー・エヌ・エー
AI技術開発部
田中一樹部長
AIが画像やキャラクターを生成し、効果音もゲームを作る人のイメージをぱっと出せるようになれば話が進みやすくなる。
同じコストでよりいいものを作る。
そのためには何が必要か考えた時、こういったAIの技術を使い、効率化していくことが大事。