シリーズ「トップの決断」です。
まずはこちらをご覧下さい。
「やってみなはれ」。

これは困難の時にこそ新しいことに挑戦することを意味したサントリー創業者の言葉です。
コロナ禍で苦戦する中、この創業の精神で立ち向かおうとするトップの決断に迫ります。

サントリーホールディングス株式会社
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都内にあるこちらの居酒屋「俺の魚を食ってみろ!!田町店」。

お客様の数がピークになるはずの午後8時過ぎ、店内のお客様はわずか2人です。

去年8月の1日あたりの売り上げは40万円以上あったといいますが、この日の夜の売り上げはおよそ1万5,000円。

しかし、ある取り組みが店を支えているといいます。

それが、
「さきめし」というアプリを活用している。

「さきめし」とはお客様が飲食店に代金を先払いし、新型コロナの影響が落ち着いてから店を訪れる仕組み。

売上が落ち込む飲食店の支援につながり利用回数は累計で5万2,000食を超えています。

この店でも2ヵ月でおよそ11万円の支援がありました。
事前にお金が入ってくるのですごくありがたい。

お客様はこのサービスを利用する際には手数料を負担しなければいけません。
その手数料分や店への寄付金に1億円を拠出したのがサントリーホールディングスです。


蒸発する外食需要にいかに対応するのか…そこに下したトップの意外な決断とは?

「夏は需要が多い時期、現状をどう捉えているのか?」

サントリーホールディングスの新浪剛史社長、
一番の最盛期を私たちは逃してしまう。

本来であればビールをみんなでジョッキで飲むという時期。

この需要を逃すとういうのは世界中で需要を逃してしまう。

いかにお客様に飲食店に戻ってきたもらえるか。

メーカーとして飲食店の皆さんと一緒になって解決していく。

「今回、色々な飲食店さんに質問をしてきたので、その意見をお聞きしたい。」

「以前は営業担当が店によく顔を出していた。コロナ後はめっきり来なくなった。」

つらい、すごく。

社員あっての会社だから社員の安全を確保していかなければいけない。

新しい工夫を飲食店の皆さんとどうコミュニケーションできるか。

どう支援をしていけるか、考えていかなければいけない。

「そんな中で一番の決断は?」

「ピープルファースト」を世界中のサントリーの社員に自ら伝えた。

ビデオ会議室システムを使って直接対話した。

飲食店の皆さんには申し訳ないがピープルファースト。

私たちのかけがえのない社員の安全を確保しなければいけない。

このトップの決断を受け社内では営業スタイルの見直しが始まっていました。店を1軒1軒回る足で稼ぐ営業からオンラインに…

飲食店との商談では…
営業担当の松浦健太さん、
サントリーが考えているのが第3のソーダ割り、いま開発している。

サントリーの新商品のジンを画面に向かって売り込む営業担当の松浦さん。

ジンのソーダ割りをハイボールに並ぶ新たな定番にしようと力が入ります。

さらに、
角ハイボールとジンビームハイボールだがキャンペーンキットを来週着で各店舗に送っているので活用してほしい。

続けて松浦さんが提案したのが店でハイボールを注文するとその場の抽選で景品が当たる来店強化策。

居酒屋「いなせや」の大西紀之社長、
なるほど、うれしい、お客さんが当たったら。

ピープルファーストの号令の元、持ち前の提案力で生き残りを図ります。

「新浪さんはみんなと飲むのと家で飲むのとどちらが好き?」

圧倒的にみんなで飲む。

皆で盛り上がって、さあ頑張ろうぜという気持ちになる。

みんなの気持ちが1つになるので絶対なくしてはならないこと。

飲食店に対しては新しいフェイスマスク・シールド。

飲食用に使えるようなものをいま開発している。

新浪社長は飲食時に適したサントリー独自のフェイスシールドを開発中だと明かしました。

新しい安心・安全策をお客様に取ってもらうことによって若干不便はあるかもしれないが皆が集まれる仕組みを作っていきたい。

「経済回復の軌道は?」

2019年のレベルに戻るのに3年はかかる。

沈んだ経済は波打ちながら時間をかけて回復するという見立て。

外食産業、復活の鍵とは?
消費は気から。消費の気が大変萎えている状況。

安全に飲食していただくことをサントリーとして「やってみなはれ」。

何か新しい発想ができないか。
