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[モーニングサテライト]「大浜見聞録」消費者に響くか?スタバの脱プラ対策[スターバックスコーヒージャパン 株式会社]

モーニングサテライト

大浜見聞録です。

今月から無料で配られるプラスチック製品の使用量を削減するためにプラスチック資源循環促進法が施行されました。ストローやフォークなど身近なものが対象になっていますが、年5個以上使用する事業者に対して有料化や再利用などの対応を義務付けています。削減目標を作って使用量を計画的に減らすことも求められていますが、これを積極的にビジネスに生かそうという企業を取材してきました。

消費者に響くか?スタバの脱プラ対策

最初に訪れたのがスターバックスコーヒーです。

大浜平太郎キャスター

紙ストローです。私もすっかり慣れてきました。最初は時間が経つと紙が柔らかくなるという違和感がありましたが。

スターバックス コーヒー ジャパン
サステナビリティ&資材購買部
普川玲さん

今は改良して強いもの(紙ストローです)を提供できている。

スターバックスでは2020年からストローを紙に変更し、年間2億本分のプラスチックを削減しました。

今月からさらなるプラスチック削減に取り組んでいます。

店内用のフォークやナイフなどはステンレス製の何度も使い回せるタイプに、そして持ち帰り用は植物由来100%のバイオプラスチックにすることで年間およそ60トンの削減を見込みます。

そして去年から新たに実験を始めたのがタンブラーのレンタルです。方法はLINEでQRコードを読み取り、タンブラーを借りて、使い終わったら返却場所に戻すシステムです。

ドリンクの料金は20円引き、持ち帰りにも対応しています。

こちらは繰り返し使える透明カップです。

スターバックス コーヒー ジャパン
普川玲さん

店内でのアイスドリンク全てをこのグラスで提供する。
繰り返し使うので使い捨てのプラスチックカップは出ない。
先行して2店舗で実施している。
お客様がよく写真に撮っていたり「わぁきれい」と口に出している。

消費者の好感を探りながら脱プラスチックを進めようという動きはほかの企業でも始まっています。

こちらはプラスチックを全く使っていないリサイクル可能な食器エディッシュです。カカオやコーヒーの皮などの食物の残りかすを原料にして金型で成形した食器です。

食事の提供に使ったあとは専用のボックスで回収します。

集められた食器は破砕され生ごみと一緒に混ぜることによりおよそ3カ月で堆肥になります。

大手商社が勝負をかける新しい食器とは?

この循環型の食器ビジネスを手掛けているのが総合商社の丸紅。

この食器を開発したのが簗瀬啓太さん。長年プラスチックパッケージの取引に携わってきました。

丸紅 パッケージ事業部
簗瀬啓太さん

長年プラスチックの食器を担当してきたが廃棄の仕方まで考えてこなかった。
環境の問題が言われるようになり捨てても生分解して自然に戻るものがいい。

簗瀬さんは丸紅グループのビジネスプランコンテストに自然に戻る食器のアイデアで応募。予算がついた3組の1つに選ばれたのです。

ちょうど同じ時期に丸紅もサステナビリティ推進部を新設。SDGs、持続可能な開発目標の取り組みを強化していました。

大浜平太郎キャスター

どうして商社がお皿作りを新規事業として選んだのか?

丸紅 サステナビリティ推進部
橋本昌幸部長

しっかり事業として成長してもらいたい。
エディッシュに関わる人たちがさらなるアイデアを出す波及効果に期待する。

エディッシュが事業化されて3年目、去年は1年間で20以上のイベントに採用されました。

プロサッカーの試合会場では屋台グルメ用にたくさんのエディッシュが使われました。

また山梨県のホテル「スーパーホテル富士河口湖天然温泉」では朝食バイキングの取り皿に。使用したあとは施設内にある装置で堆肥化されています。

丸紅 発想の転換で規制の壁を乗り越える

一見順調に見えますが、実はここに来てある規制の壁に直面しているというのです。

堆肥装置が置けないイベントや小さな飲食店向けには使用済みエディッシュの回収サービスが必要になります。

しかし、使い捨て型の食器類はリサイクルが目的でもごみとして扱われてしまうのです。

ごみである以上、回収は自治体指定の廃棄物業者が担当しなければいけません。

自治体をまたぐごみの移動も原則禁止されています。

丸紅が独自で回収して堆肥を作るにはコストや手続きの手間がかかりすぎるのです。

そこで「平太郎のへぇ~ポイント」。堆肥化できない食器は炭にすればよい。

丸紅 パッケージ事業部
簗瀬啓太さん

バイオ炭という炭にすることを考えている。
植物を燃やすとCO2が出るが、炭にCO2を固定化して土の中に埋めると半永久的に分解されないで炭素が地中にも貯留できる。

ここで生きたのが商社のネットワーク。

社内のバイオ炭チームに相談して製造メーカーを紹介してもらい移動式の小型炭化装置を完成させました。飲食店に炭化装置を持ち込み、2時間ほどで炭にしてしまおうというのです

その場で炭にできれば食器はごみではなく畑の土壌改良材に生まれ変わります。できた炭が実際に土壌にいい効果があるのか確かめるため農場での実験を今月から始めます。

丸紅 パッケージ事業部
簗瀬啓太さん

販売目標は10億個くらい。
国内市場が200億個くらいなので一部でもシェアを取れば軌道には乗る。
2030年には部署の柱になる事業にしたい。

プラスチックの削減はこれからも続きます。SDGsをどうビジネスチャンスに変えていくのか、その試みが本格化し始めています。

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