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[WBS]アメリカ 常態化する人手不足! 広がるか? 労組結成の動き[Starbucks Coffee Company]

2022年2月5日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

アメリカ経済で最も需要な指標の一つ、最新の雇用統計が2月4日に発表されました。

1月の非農業部門、農業以外で働く雇用者数は市場予想の15万人を大きく上回る46万7,000人となりました。

アメリカ 雇用統計46万人増加!市場予想大幅に上回る

ニューヨーク支局の西野志海キャスター。

今回の雇用統計、オミクロン株の影響で減少する雇用者数が減少するという見方もありましたが、力強さが示された形です。

飲食店も含むレジャー・ホスピタリティーは前の月から15万1,000人増加しました。アメリカの多くの企業が人手不足に悩んでいるので、オミクロン株の影響は一時的と見て雇用を減らすことはしなかったようです。

失業率はわずかに悪化しましたが、こちらも4.0%と引き続き低い水準です。

雇用統計の内容は予想より良かったが、本当に経済は回復しているといえるのか。

実体経済の回復はまだ道半ばといったところです。わたしが今いるのはマンハッタンの中心部です。百貨店大手のメーシーズもあり買い物客で多く賑わうエリアですが、閉店しているテナントも多くあります。アメリカは人手不足が慢性化していて企業は賃金を引き上げてなんとか雇用を確保しようとしていますが、なかなか難しい状況です。

空前の売り手市場となる中、労働者側は強気の姿勢に出ています。

アメリカ スタバ労組結成!全米に拡大 背景は…

去年12月、ニューヨーク北部の店舗で結成されたのはスターバックスの創業以来初めてとなる労働組合です。

さらに…

ニューヨーク支局の森礎人記者。

新型コロナの影響で労働者の不満が溜まる中、スターバックスでも労働組合を結成する動きが広がっています。

マサチューセッツ州ボストンのスターバックスで働くブレンダン・ジェームスさんとカイラ・クレーさんです。

ジェームスさんが着ているのは労組結成を目指すグループのTシャツ。

こうしたグッズを同僚に配って結成に理解を求める活動をしています。

シェーカーを握る手は労働者の権利回復い向けた抵抗を意味している。

会社の運営に関与できることを目指して活動している。

労組の結成に動き出したきっかけは新型コロナでした。

危険な状況で精いっぱい働いたのに職場の在り方に関して意見さえできない。

労組を結成し団結することで会社と対話できる環境作りを目指します。

スタバ側は従業員と対話を続けるとしていますが、2人の働く店舗では毎週労組結成を阻止するための説明会が開かれているといいます。

そこで配られた資料には「労組があなたを支配する」との文字が…

上層部はバリスタとして働いたことがない。

コロナ禍で生活が脅かさせる最下層の従業員の状態が分からない。

スタバで労組の結成を目指す動きはニューヨークを皮切りに全米の60店舗に急拡大。

背景には人材不足が続く中で労働者が権利を主張しやすくなったことがあります。

ただ、ジェームスさんは今後、労働市場が正常化したときにこそ労組が必要になると訴えています。

マクドナルドなど多くの企業が「時給を15ドルから17ドルに引き上げる」と労働者の気を引いているが、彼らは労働者が戻ってくれば「時給を12ドルに下げよう」と言える。

労組結成で社内の力を得なければ権利を奪われかねない。

労使関係に詳しい専門家は…

コーネル大学のケイト・ブロンフェンブレンナー氏。

スタバでの動きを受け、他業種でも矢継ぎ早に労組結成の機運が高まっている。

スタバ、アマゾン、スプリント、ウォルマートなどは労組がないことで知られていた。

スタバに曾祖が増えれば多くの労働者は「スタバで可能なら私の会社でも」と思うだろう。

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