世の中にイノベーションを起こそうとするベンチャー企業に焦点を当てるイノベンチャーズ列伝。
夜空にキラリと光る流れ星に皆さんはどんな願いをしますか?
今回の主役はそんな流れ星を見て願い事ではなく「もっと見てみたい、それなら作ってしまおう」と考えた理系の女性。いわゆるリケジョです。
絶対に叶わないと言われ続けた夢が現実となるための大きな一歩を踏み出しました。
株式会社ALE
[blogcard url="http://star-ale.com/"]
1人の女性起業家の夢を乗せてロケットが空高く打ち上がりました。

ふとした思いつきから18年。

宇宙を舞台にした前人未到のビジネスがいよいよ実現しようとしています。


人工流れ星
2011年に創業したALE(エール)。

こちらが人工衛星の模型。

これが本当の大きさ。

エールの創業者、岡島礼奈社長。今回の主役です。

誰もが見たいと思い、願いを託したいと望む流れ星を人の手で作ってしまい、イベントの演出などで活用することを考えています。


ロケットのこの部分に入って宇宙に打ち上げられる。

衛生はロケットで打ち上げ、地上からおよそ400キロ上空の周回軌道に乗せます。

そこから方向や角度を調整した上で流れ星の「もと」を放出。

地球の大気圏で燃焼する様子が流れ星のように見えるのです。

放出した流れ星のもとは高度60キロのところで燃え尽きるので地上への影響はないといいます。

人口流れ星のもととなる小さな玉。

これで白、青、緑、ピンク、オレンジの5色の流れ星を作り出すことができます。

3秒から10秒の長さ。星自体ゆっくり流れる想定。

岡島礼奈社長
岡島さんが人口流れ星を考えついたのは2001年。

当時は東京大学で天文学を学んでいました。

しし座流星群を見ている時の友人とのこんな会話が着想のきっかけでした。

流れ星って理論的には人工で作れるよね。

外資系金融機関などを経て2011年にエールを創業。

彼女の夢に賛同する投資家からお金を集め、多くの企業や大学の強力を得て開発を進めてきました。

ロケット打ち上げ
そして創業から8年、多くの報道陣とともにロケット打ち上げを見守ります。

きょう打ち上げる2号機(衛星)が世界初の人工流れ星を流す確率が高い。

ところが打ち上げ予定時刻20分前、表情が一変します。

すいません。大変おまたせして恐縮ですが、いま連絡があって本日のロケットの打ち上げは中止。

この日はシステムトラブルでロケットが打ち上がりませんでした。

ロケットはアメリカの民間企業のもので発射のタイミングは全てお任せです。

「きょう飛ばなかったがどうする?」
どうしますかね。

ロケットラボの発表待ち。

そわそわします。

振り回されても仕方がないので真面目に勉強します。

そして待つこと1週間。

まもなく打ち上げです。
5,4,3,2,1

ロケットは無事に打ち上がりました。

燃料タンク部分が切り離され、エールの人工衛星がカメラに映ると…



すごい偉業を成し遂げてありがとうございます。

本当になんだろう…

2号機すごい大変だった。

打ち上げ日程が何度も変更され、苦労したスタッフのことを思い感極まった岡島さん。
早ければ来年の春にも世界初の「人工流れ星」を実現できそうです。

さらに視線はすでにその先を見据えています。
流れ星が燃え尽きるまでの間、大気圏内に関するデータを収集し、気候変動のメカニズムの解明や気象予測などに役立てようとしているのです。

流れ星が流れて、データを取りながら、地上で盛り上がって、流れ星に何か感じてくれるものがあればそれは自分が届けたいもの。
