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[WBS]「国際線予約停止」を撤回!オミクロン株 水際対策で混乱[株式会社STANDAGE]

2021年12月2日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

新型コロナの新たな変異ウイルス、オミクロン株への感染がアメリカやインドでも初めて確認されるなど世界に広がっています。

日本政府は航空各社に日本に到着する航空便の新たな予約の停止を打ち出しましたが、12月2日に一転してその方針を撤回。混乱が起きています。

政府 国際線予約停止を撤回!混乱広がる ベンチャーにも…

貿易の送金システムや物流を手掛ける都内のベンチャー企業「スタンデージ」。

「どうします、出張いきます?」

スタンデージのアフリカ担当マネージャー、井上駿さん。

この状況だとまだ決められない。

帰ってこられるか分からないので今回は延期かもしれない。

ここで働く井上さんは来週から支社があるアフリカのナイジェリアに出張する予定でした。しかし、航空券を探してみると…

「選択された旅程の運賃が表示できません。」ってことは飛んでないってこと?

めちゃくちゃ不安。いつ日本に帰ってこられるか分からないと。

オミクロン株の水際対策の影響もあり渡航は難しい状況に。

2017年に創業したこちらの会社、新型コロナで停滞していた海外市場の開拓を再開させた矢先にオミクロン株が出現しました。

出張を取りやめることにした井上さんは12月2日に現地の社員とオンラインで会議を開きました。

ナイジェリアに行けない可能性が高い。僕なしでもできるよう用意してもらいたい。

スタンデージのナイジェリア支社、デイブ・ガブリエル社長。

日本から社員が来ると「日本人がやっている、本当に日本の会社なんだ」と信用度がぐんと上がる。

ここでの仕事は彼ら(日本人)なしではうまくいかない。

ナイジェリア支社長を務めるデイブさん、彼もまた水際対策の強化に翻弄されていました。

家族が日本に残されてすごく大変。

日本に住む妻や子どもたちにもう2年間会えていません。日本の感染状況がようやく落ち着き、来日を予定していましたが外国人の入国が停止に。

落ち込んだ、ものすごく。家族は「無理せず待った方がいい」と。

デイブさんはナイジェリアにとどまり井上さんが現地で参加予定だった商談を来月以降に延期する調整に入るといいます。

水際対策はしっかりして感染者を日本に入れないようにしてもらいたいが、海外で働くビジネスマンとしては政府の判断があいまいなのはスケジュールを決められない。明確に決めてもらえると助かる。

政府 国際線予約停止を撤回!官邸と省庁の連携に問題?

今月中、日本に到着する航空便の新規予約の全面停止を打ち出した日本政府。

しかし、12月2日にその方針を早くも撤回する事態となりました。

岸田総理。

一部の方に混乱を招いてしまった。

こうした事態を受けて私から国土交通省に邦人の帰国需要について十分に配慮するよう指示をした。

斉藤国交大臣。

本日、新規予約の停止要請を取りやめ、その旨、航空会社へ改めて通知した。

こちらは韓国・ソウル。

方針の撤回を受けて日本行きの航空券の予約サイトを調べてみると…

ソウル支局の横堀拓也記者。

今月の韓国から日本に向かう便を検索しても該当する便は表示されず、予約はできなくなっています。

しかし、午後になると…

午後3時半を過ぎたところです。数十分前には表示されていなかった日本への便が表示されるようになりました。

水際対策をめぐって混乱を招いた日本政府。背景には何があるのでしょうか。

松野官房長官。

取り急ぎの対応として国土交通省の判断で緊急避難的に予防的観点から行ったもの。

オミクロン株への対応として政府は11月29日に1日あたりの入国者数の上限のめどを5,000人から3,500人に減らす方針を決定しました。

ただ、その時点ですでに多くの予約が入っていたため航空行政を取り仕切る国土交通省航空局は独断で航空会社に新規予約の停止を要望。

それが政府内に広く共有されたのは12月1日にことでした。

海外在住の日本人などに動揺が広がり、岸田総理が方針の見直しを指示したのです。

国土交通大臣は…

国交省の航空局がいわば少し荒っぽい方針を出した。

航空局で緊急避難的、予防という観点からスピード感を持って対応した。

その時点では私自身、報告を受けていなかった。

ある与党議員はこう説明します。

安倍政権・菅政権は官邸がすべて決めて省庁におろしていたけれど、岸田政権は違うみたい。まだ連携がうまくとれていない。

アメリカでもオミクロン株を初確認!国際イベント中止・変更相次ぐ

オミクロン株の感染者は新たにアメリカやインドでも確認されました。

アメリカ政府は入国者に対し、出発前24時間以内の検査で陰性を証明するよう義務付けるなど水際対策の強化を発表。

対策の強化を受けて経済活動への影響が広がりつつあります。

来週、大阪で開催予定だったフィギュアスケートのグランプリファイナル。

北京オリンピックの前哨戦として注目を集めていましたが外国人の原則入国停止を受けて日本スケート連盟は12月2日に中止を発表。

また中東ドバイで開かれているドバイ万博では11日に日本文化を紹介するジャパンデーが予定されていましたが…

ドバイ万博の担当者。

日本から人が来られないので内容の変更を検討している。

ファイザー幹部単独取材!新ワクチン「3月にも供給」

オミクロン株拡大の影響はどれだけ広がるのか、今後を左右するのはオミクロン株にすでにあるワクチンが効果を発揮するのかどうかです。

アメリカ製薬大手ファイザーの研究部門のトップ、マイケル・ドルステン最高科学責任者がテレビ東京の単独インタビューに応じました。

オミクロン株の登場は深刻に受け止めるべきだ。

ただ今の時点では私は用心しつつ楽観的でいる。

現時点では現在のワクチンは有効と考えるのが妥当だと思う。

引き続き3回目接種を推奨する。

ドルステン氏は既存のワクチンが十分に効果を発揮するかどうか慎重に分析を進めていると説明。

もしワクチンの効果が十分でなくオミクロン株がデルタ株に変わって新型コロナウイルスの主流になった場合、新たなワクチンが必要になるとの見解を示しました。

既存のワクチンでオミクロン株に対抗できるのか、オミクロン株に対応する新たなワクチンが必要なのか、12月中に判明するだろう。

新たなワクチンの開発を進めているファイザー。ドルステン氏は新たなワクチンが必要になれば来年の3月にも供給が可能だと述べました。

先週末から研究所でワクチンの開発を始めた。必要なら100日後には使えるよう進めている。

新しいワクチンのデータを3月中に当局に提出し、すぐに承認されれば3月下旬には供給を開始できる。

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