円安が追い風になるのがインバウンド需要です。海外からの旅行客にとって円安だと日本はものが安い国となるからです。
全国の観光地では先週から受け入れ手続きが始まった外国人観光客の旺盛な消費に期待を寄せています。
しかし、そこにはある想定外の事態も起きていました。
円安で追い風 インバウンド需要!"祭り"で狙う客とは…
東京・浅草にある商業ビル。
その中に入ってみるとある工事が進められていました。
スパイスワークス
對馬勲さん
飲食店7店舗と着物レンタル店1店舗の複合ビルをいま工事中。
飲食店などを展開するスパイスワークスホールディングスが7月1日にオープンする浅草横丁。うなぎの串を出す料理店や寿司、居酒屋など8店舗が並びます。
さらに週末には施設内で日本各地の祭りを開催。祭りと飲食を融合した施設です。
主なターゲットは外国人観光客。
なかでも期待しているのが中国人観光客の来店です。
スパイスワークス
對馬勲さん
日本独自の祭りは中国の祭りと似ていることもある。
共感できることも多いと思う。
現在、日本政府は外国人観光客の受け入れをパッケージツアーに限定。
欧米などに比べ団体旅行をする人の割合が多い中国人の旅行客に期待は大きいといいます。
スパイスワークス
對馬勲さん
外国人が利用することでより多くの集客、にぎわいを保てればいい。
中国からの観光客に熱視線!しかし…中国「国外に出られない」
日本の観光地から熱い視線を送られる中国。
北京の街で中国人に話を聞いてみると…
北京市民
日本が入国を認めたいま行きたいと思う人は多いと思う。
普通の国有企業の年休は1週間程度。人々は国外に出られない。
現状では日本に行くのは難しいと残念そうに話す女性。一体どういうことなのでしょうか。
じつは日本への旅行を終えて帰国した最、中国では2週間程度の隔離が義務付けられるため海外旅行は現実的ではないというのです。
さらに問題は隔離期間だけではないといいます。
北京新日国際旅行社
謝寅さん
いま日本向け海外旅行の募集ははじめていない。
はっきり言ってしまうと航空券が手に入らない。
通常は政府の通知が届いてから市場の状況に応じて募集を行う。
ゼロコロナ政策を堅持する中国政府は旅行会社が海外向けの団体旅行を取り扱うことをまだ認めていないというのです。
さらに…
北京支局
佐藤真人記者
いま中国ではパスポートの新規取得や更新が認められないという事態が起きています。
中国のSNSへの書き込みによるとパスポートを申請しようとしても緊急性がないとして断れるといった事例が相次いでいるといいます。
中国人のスタッフが実際にパスポートの更新に訪れてみると…
中国人スタッフ
パスポートはいま手続きできないですか?
職員
ここの役所だけではなく北京全部無理です。
申し込みできません。中に入っても時間の無駄ですし、あきらめてください。
日本の観光地を潤してきた中国からの団体旅行客が再び日本を訪れる日はまだ先になりそうです。