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[モーニングサテライト][経済WEEK]ソニー 反転攻勢をキーマンに聞く[ソニーグループ株式会社]

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シリーズ「経済WEEK」チェンジ!ジャパン、~始まる反転攻勢~

今回はソニーの反転攻勢を取り上げます。

テレ東 経済WEEK
月曜日パナソニック 生き残りかけ巨額買収
火曜日三井住友FG 新発想・人材活用で打開
水曜日三越伊勢丹 稼ぎ先転換の新モデル
木曜日整ったか ベンチャー支援スキーム
金曜日ソニー 反転攻勢をキーマンに聞く

この30年間を株価で振り返ってみようと思います。ウォークマンが人気だったソニーですが1999年、aiboが誕生しました。パソコンのVAIOが注目を浴びた時代です。株価も高騰し、世界をリードする存在でした。

その後はデジタル家電の分野でライバルが力を発揮してきて、例えばアップルからiPodが登場するなどソニーにとっては難しい時代に突入していきます。業績も悪化していって株価も急降下してしまいます。

その後、いつまでもウォークマンのソニーではいけないと変化を促すカルチャーが社内でも浸透していき、当時象徴的な存在だったアメリカの本社ビルの売却やVAIOのパソコン部門を譲渡するなど構造改革を加速していき、これに合わせて業績も回復し、株価も上昇していきます。新生ソニーに注目が集まっていくわけです。

これから先はソニーはどうこの反転攻勢を加速させていくのか、キーワードは発想の転換と連携、そして融合です。

ソニーどん底から再生へ

エンタメと技術の融合

全世界で累計発行部数が2,600万部を超えるというソードアート・オンライン。オンラインゲームを題材に繰り広げられる人間ドラマで原作の小説をもとにアニメ、映画、ゲームを展開しています。

このソードアート・オンライン、ソニーはエンターテイメントとテクノロジーの融合、つまり新生ソニーの一つの事例だとしています。

番組のスタッフが仮想空間の中で開かれたイベントを覗いてみると…

エンターテイメントは文字通りアニメや音楽など、テクノロジーはVRの基盤システム、エレクトロニクス部門で培った技術力でVR用に空間全体を使う演出に改良しました。

新生ソニーを象徴するもうひとつの事例が電気自動車の試作車です。自動運転機能を搭載しています。

チームを主導しているのがペットロボット、新型aiboを開発したロボティクス部門を率いている川西泉さんです。

自動車産業は100年に一度の変革期。

メガトレンドにチャレンジしてみる価値がある。

周辺の動きを正しく認識し、自律的に動く。ロボットと自動運転車には実は多くの共通点があります。

画像センサーや対象物との距離を測るセンサーなど40個のセンサーを組み合わせ、安全性を高めています。

運転席の前には大きなスクリーンを3面配置、また立体的な音を再現するスピーカーをシートに内蔵し、車内をエンターテイメント空間に。技術の融合が随所に見られます。

ソニーの技術はAI・ロボティクス・センシング・イメージング・ネットワーク。

このVISION-Sに様々な技術を投入していきたい。

ソニー再生

V字回復の立役者に聞く

新しい価値を生み始めているソニーですが、改めて株価の推移を見てみると、ソニーの転換のきっかけのひとつがトップ人事だと言われます。

2012年に社長に就任したのが平井一夫さんです。平井さんはもともとソニーの中では傍流と言われますが、もともとエレクトロニクスの出身ではなく音楽やゲーム事業を長く担当してきた人物です。

ソニーの売上高の構成の変化ですが、2000年度はエレクトロニクスの割合が69%に達していますが、20年後の2020年度ではゲーム、金融、音楽や映画など事業の多様化が加速しているのがよく分かります。これは平井さん、そしてバトンを受け継いだ吉田憲一郎会長兼社長の戦略がここからも読み取れます。

今回はソニーの前の社長である平井一夫さんにインタビューをしてきました。平井さんは現在の経営にはコメントする立場ではありませんが、反転攻勢を実際に経験している方で多くを知る平井さんです。

日本の企業が変わるために一体いま何が必要なのか、改めてお話を聞いてきました。

ソニー復活の立役者

トップに求められる条件とは

平井一夫さんがソニーの社長に就任したのは2012年4月。

直前の業績は非常に厳しい内容で売上高はおよそ10%のマイナス、4,500億円あまりの最終赤字を計上しました。

トップに就任した当時の思いは…

社長になってみると自分がワクワクする商品がなかった。

ワクワクする商品を作るため担当の責任者といろいろ議論し、感動してもらう商品にするため結構議論した。

平井さんが大切にしたのが社内における活発な議論です。イエスマンではなく、間違ったことは間違っているという平井語録「異見」。過去にとらわれない経営を進める上でもそうした雰囲気を作り出すことに務めたといいます。

私が意見をしたときに「そうですね」と言われるのが一番心配。

分からないことは「分からない」と言う。

議論していくのはすごく大事なマネジメント手法。

いちばん大事なのは責任を取ると言い、自ら模範を示すこと。

これが強いリーダーとして認められる第1のステップ。

最終的には自分で決断する立場なので孤独。

そういったことも含めて社長の仕事と考えていた。

日本の企業を取り巻く環境はいま激変しています。新型コロナ、脱炭素、DX、米中関係、日本勢がこれまでの常識が通じない世界で存在感を示すにはどうしたらよいのでしょうか。

発想の転換 変化を創造する

世の中の変化に対応していくことは正しいが、それだけでは駄目。

変化に対応するのではなく、変化を作ろうとする意識が大事。

トップが動く 世界でアピールを

欧米の会社のCEOは常に生でインタビューを受けて自社の商品・サービスや株価・業績も徹底的にアピールする。

言語の問題はあるけれど自らが外国に行き、積極的にプロモーションすることは大事なリーダーの仕事。

技術立国ニッポンのために

研究開発の社員にしてみれば苦しい時に研究開発費がカットされるとマネジメントが短期的な利益に向いて長期の視点はないと思われる。

それではなかなかモチベーションは上がらない。

特に長期投資をカットするか否かは議論して決めたほうが良い。

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