飲食業界と同じく人材不足が課題となっているのが介護業界です。
政府は19日に発表する経済対策で介護などの分野で3%程度の賃上げを盛り込み成長と分配の好循環への布石とする方針です。
こうした中、人材の待遇改善に向けては民間もひと足早く動き出しています。
SOMPOケア株式会社
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11月16日、経済同友会の代表幹事を務めるSOMPOホールディングスの櫻田謙悟CEOは介護職員の待遇について…
誇りを持って仕事をしてほしいし、そういう人材が集まってほしいという主旨で先行投資、先行コストをかけた。これは政府に言われたからではない。
SOMPOでは今月、傘下のSOMPOケアで介護職員の待遇改善を表明しました。
来年4月からリーダーにあたる1,000人の年収を50万円引き上げ450万円台に、施設長などのマネジメント職では55万円引き上げます。
政府に先駆け、賃上げの表明に踏み切ることができた理由がこの研究施設にあるといいます。
SOMPOケアの遠藤健社長。
例えばこのデジタルセンサー。
処遇改善の一つのキーワードとしていわゆるICT、デジタルの導入。
こちらは入居者の睡眠状況や心拍数や呼吸数を測ることができる装置。
SOMPOケアでは運営する有料老人ホームの全ての部屋にこのセンサーを導入しています。
SOMPOケア そんぽの家 国立南の村上良恵副ホーム長。
労力のところではすごく軽減された。
私たち人間ができる業務が明確化してくるので、その分機械にできないコミュニケーションに力を入れたり、そういったところで利用者に還元できる。
他にも体重や体温、1日3回ある食事の摂取量などを専用アプリに入力してデータ化することで省力化を目指しています。
夜間の介護職員が部屋に訪れる回数。
目配りの回数がぐっと減っている。
ある施設で夜勤3人いなければいけないところ2人で十分できるようになる。
職員たちの生産性を非常に上げる。
人手不足の介護業界ではこうした待遇改善に加えて、離職率を引き下げることが求められています。
都内にあるSOMPOケアの研修センター「SOMPOケアユニバーシティ芝浦」ではこの日も…
講師の話を真剣な表情で聞いているのは普段は別々の施設で働いている介護職員です。
採用時の研修はもちろん、働き始めてから3ヵ月、6ヵ月、そして12ヵ月と期間をおいて再度研修を受けます。施設で実際に使っているベッドや用具を使い介護の技術をさらに高めています。
研修を受けた職員は…
利用者のことを考えて介護をやるとか、研修で再度復習して確認できることがいい。
ここで習ったことをホームで実践して自信がついた。仕事が難しくなくなってきた。
研修制度によって職員一人一人がスキルアップしたことが自信につながり、以前は25%ほどだった離職率は最近では11%にまで改善しています。
SOMPOケアはこうしたビジネスモデルを介護業界全体に広げていく狙いです。
デジタル開発、さまざまな教育のノウハウ、先行しているものを他の事業者にも提供していく。
業界全体があがっていくように手伝いできれば。