シリーズ「ケーザイのナゼ?」。
今回のナゼは保険料です。ここ数年、豪雨や台風など自然災害が多発したことで損保会社が支払う保険金が急増しました。
その結果、火災保険料は毎年のように引き上げられ4年間でおよそ2割ほど上昇する見通しです。
その一方で引き下げられるのが自動車の保険料です。
一体ナゼなのか直撃リサーチししてみると意外な理由も見えてきました。
損害保険ジャパン株式会社
[blogcard url="https://www.sompo-japan.co.jp/"]
自動車を運転する人が多く集まるAPIT オートバックス東雲。
ドライバーに保険料について聞いてみました。
ちょっと高いと思う。
年間8万円ちょっと。普段はあまり乗らないのに。
高いイメージのある保険料。引き下げられること知っていますか?
へーそうなんですね。
全然詳しくない。
詳しくは知らない。下がるのは助かる。
事故や故障など自動車に関連した損害を保証する自動車保険。一般的な自家用車の場合、保険料は年間で7万円あまり。
これが来年から2%前後、1,500円ほど下がる見通しです。
長期間上昇傾向が続いていましたが、2018年に減少に転じ、今回さらに下がります。
損害保険ジャパンの商品開発グループ、岡崎博史課長代理。
連続で引き下げが行われた。一定期間は保険料の引き下げ基調が続く。
ここにきて引き下げが続く自動車の保険料。一体ナゼなのでしょうか?
スバルの生産開発の拠点「スバル 群馬製作所」。
ここに保険料引き下げのヒントがあるといいます。
それは車が障害物を検知して自動で衝突を回避するシステムです。
一体どんなものか体験してみました。
山口博之記者。
80キロです。
スバルの阿部幸一さん。
万が一歩行者がいる場合、衝突被害軽減ブレーキをかけて、減速だけでよけ切れないと車が判断した場合にブレーキではなく、車が自動でよけて衝突を回避するシステム。
搭載されているのは運転を支援するシステム「アイサイト」。
スバルはこうした安全にかかわる技術の開発を30年以上続けています。
スバルの技術本部自動運転PGM、柴田英司ゼネラルマネジャー。
量販車に積めるような、購入できる範囲での技術開発としてある程度、衝突回避技術を極めたという自負がある。
2010年、アイサイトに衝突を回避する機能を追加。その結果、ほかのスバル車に比べ追突や歩行者との事故が6割減ったといいます。
われわれも驚くほどの効果があった。
さらにスバルは車内の安全性も高めるなど、2030年までに死亡事故ゼロを目指しています。
安全技術をめぐっては各社がしのぎを削っていて、衝突の被害を軽減するブレーキを搭載する車両は3割まで拡大しました。
技術の進歩もあり、交通事故の死者数は去年、統計開始以来最小を記録。保険金の支払総額が減ったことも料金の引き下げにつながりました。
さらにもう一つ、保険料が下がる理由には新型コロナが関係しているといいます。ナゼなのでしょうか?
遠出しなくなったので運転距離は減った。
運転は減ったと思う。
旅行に行かない。
車に乗る距離や頻度が全体的に減っているといいます。
コロナで外出制限がかかり、自動車にあまり乗らなくなって事故率が低下。
ここ1、2年くらいの傾向。
感染が収束すれば車の利用は前の状態に戻る可能性もあります。それでも長期的に保険料の下げ基調は続くと見ています。
保険収入の半分を占めるという自動車保険。損害保険会社は困らないのでしょうか。
中長期的には自動車保険に頼らず、社会環境の変化と共に現れてくる新たしいニーズに応えるべく新しい商品を提供していく。
例えば損保ジャパンが年内にも始めるドライブレコーダーの新サービス。
緊急時の安全サポートのほかにも特徴があります。走行データを分析し、運転技術を見える化する機能です。
こうしたデータの蓄積が自動運転など将来のビジネスに生かせると考えています。
損害保険ジャパンのモビリティグループ、岡根俊介課長代理。
保険料、我々で言えば収入が減るのは事実としてある。
「保険の先へ挑む」とよく言っているが、走行データをいただくことで付加価値・体験価値を向上できるような新たなビジネスはできてくる。