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[WBS]データから未来を予測!?転換点 保険のSOMPO[SOMPOホールディングス株式会社]

2021年5月26日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

火災保険や自動車保険を展開する損害保険ジャパンのパンフレット。

この損保がいま転換点を迎えています。

人口減少による国内の保険市場の縮小が見込まれる中で5月26日、損保は新たな経営計画を発表しました。

従来の保険会社からデータを使って未来を予測する会社へと生まれ変わろうとしています。

SOMPOホールディングス株式会社

[blogcard url="https://www.sompo-hd.com/"]

5月26日、午前8時半。

カメラの前に姿を見せたのはSOMPOホールディングスの櫻田謙悟CEOです。

あのときが新しい事業体に変わる瞬間だったとなればいい。

発表した中期経営計画の柱が、

リアルデータプラットフォームによって新たな社会課題ソリューションを提供したい。

データを使った新たな事業展開で中長期的に売り上げ5,000億円を目指すといいます。

保険事業を補完し、代替する柱になる。

データを使って変わろうとしているSOMPO。その姿が展開する高齢者施設にあります。

ここで暮らす80歳の菅原誠さん。

散歩はほぼ毎日。

愛犬クロとの散歩が日課です。

しかし先月、菅原さんに異変が…

ベッドの上で横になる日が続いたのです。

医師の診断でははっきりとした原因は分かりませんでしたが、施設のスタッフがあることに気が付きました。

こちらは菅原さんの4月中旬からの睡眠時間を記録したデータです。青色はベッドの上で寝ている状態を表しますが1日のほとんどが青、眠っていたことが分かったのです。

そこで介護スタッフが調べると…

そんぽの宿、国立南の立迫勇太施設長、

寝ている状態になる前に薬の変更があったことに気づいた。

睡眠時間は1日平均16時間だったのが、新たに処方された薬をやめると10時間となり、以前の活動的な状態に戻りました。

日中ずっと寝ている状態になると身体機能が落ちていって歩けていた人が誰かの手伝いがないと動けなくなる。

異変に気付くきっかけとなったのがこちらのセンサーです。

利用者の睡眠状況、呼吸数、脈拍数もわかる。

さらに去年から様々なデータを収集しています。体重や体温などは介護スタッフが専用のアプリに入力。1日3回ある食事の摂取量も記録します。

主食がだいたい半分くらいだったので5割。

副食は8割くらい食べていた。

これらのデータを基に自動的にグラフが作成されます。緑は副食、青は主食の摂取量。

コロナ禍のいま入居者のわずかな変化に気付けるようデータの見える化を進めています。

さらに異変を知らせるアラート機能も。

利用者の食事量や体温、体重、異常数値があるとアラートが出る。

経験を積んでない介護スタッフでも容易に発見できる。

利用者の重症化を防げることがメリット。

今後は生活の中で得られるおよそ600のデータを収集し解析。1週間後に発症する病気を予測する独自のシステムの構築を目指しています。

ともに開発を進めているのがアメリカのデータ解析会社「パランティア・テクノロジーズ」です。

顧客にはあのCIA(アメリカ中央情報局)も。

強みはAIを使って様々なデータを統合し解析する技術です。

SOMPOは去年、パランティアにおよそ540億円を出資しました。

あらゆるパターンのビッグデータをがぶ飲みさせて、それを解析することによって、パターンや予兆、何週間、何ヵ月後、何年後にはこうなるということがわかるはず。

SOMPOはこの独自のシステムを国内外の介護事業者に売り込みたい考えです。

まさに見える介護、予測できる介護。

日本で成功した例が作れれば輸出できる。

「課題先進国、日本ならではのビジネス?」

全くそのとおり。ピンチがチャンスになればいいなと思う。

さらにSOMPOが挑むのはデータを使った災害の予測です。

先週、九州から東海地方の広い範囲で大雨となり避難指示が出るなど自然災害のリスクは年々高まっています。

この日、SOMPOの本社を訪ねるとミーティングが開かれていました。相手は愛知県岡崎市の職員です。

岡崎市総合政策部企画課の鈴木昌幸係長、

もともと気象情報以上の情報をもっていない。

予測という技術が非常に頼りになる。

SOMPOはアメリカの企業「ワンコンサーン社」と手を組み、自治体に提供する防災システムを開発。

こちらは熊本市で2016年と同じレベルの大雨が降った場合、どのような被害が起きるか予測したものです。

黄色は浸水度合いが低く、色が濃くなるほど浸水の度合いが高くなります。

さらに…

損害保険ジャパンのビジネスデザイン戦略室、後藤愛さん、

矢印で水の流れがわかる。

被害がどう拡大するか予想することによって避難指示に役立てる。

SOMPOは保険金を支払う際に記録する膨大な災害データを持っています。

このデータと、その時々で変わる気象データをAIが分析し、災害が発生する72時間前にどういった被害が出るか予測します。

「5年後、SOMPOは何の会社と聞かれた時、何と答えるのか?」

SOMPOはこういう会社と言われるようじゃだめ。

安心とか安全とか健康について色んなことをしてくれう会社だねと。

定義できない会社。ただ昔は保険会社だったといわれたい。

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