消費の新しい動きについて。
2人以上の世帯が5月に消費に使った金額は1年前に比べて11.6%増と大幅に増加しました。ただ品目別では使った金額が減っているものもあるようです。

そこで注目したのが豚肉やそうめんなどです。
7月6日に発表された家計調査ではこうした肉類や牛乳やチーズなどの乳製品、さらに麺類などへの支出は1年前の買いだめ需要の反動で減っています。コロナの影響がなかった2年前と比べるとまだプラスなのですが特需は一段落し始めているようです。
そこでメーカーは好調なうちに次の一手を打とうと動き出しています。

株式会社上村製麺
川崎市のショッピングセンター「ラゾーナ川﨑」。こちらの食料品の店「こととや」には…

こちらが大人気の夏麺のコーナー。

定番のそばやうどんを抑えて、コーナーの3分の2を占めていたのはそうめんです。

奈良の三輪そうめんや長崎・南島原の手延べそうめんなど全国各地の商品が並びます。
外食に行く機会がなくなったので家で食べるとき簡単に作れるのは麺類。

コメの食事だとおかずをつくらないといけない。その点、手軽に食べられるので使ってしまう。

そうめんはうどんなどと比べて湯で時間が短く、手軽に食べられるとあってこの店ではコロナ禍の去年から売り上げが急増しました。

こととやのラゾーナ川崎プラザ店、渕上晴菜店長、
こちらの南島原のそうめんは先月だけで600~700個売れた。

自宅でおいしいそうめんを食べたい「自家需要」がとても高まっている。

主婦やファミリーの人に「これおいしい」と買ってもらえることが増えた。

そうめん人気はこの先も続くのでしょうか。
全国の手延べそうめんのおよそ3割を生産する長崎県南島原市を訪ねました。


市内のそうめんメーカー「上村製麺」では棒状の生地を細く伸ばしていく伝統的な製法でそうめんが作られていました。

全国のスーパーなどで売られる袋詰め用のそうめん。ここ上村製麺では巣ごもり需要で去年の生産量はコロナ前より2割ほど増え、お盆シーズンには休日返上で作業をする日もあったといいます。

この夏も一定の需要は見込む一方で社長の上村新一さんには不安も…

一時的に巣ごもり需要で売上は伸びているが、コロナが終わった後も続くのかどうかは不透明。

上村さん、すでに次なる一手を打ち出していました。

シンガポール向けに作った新しい商品。

シンガポールへの輸出です。

そうめんの淡白さが海外では好まれない可能性があるため、麺を太くし、より濃い味わいになるように原料も見直したといいます。

そのため価格は高くなりますが、
私たちには考えられないような富裕層がたくさんいる。

国内で安い商品と競合するより思い切って海外に挑戦したい。

さらに生産規模を拡大するために元々あった工場の隣におよそ1億円をかけて新たな工場を建設。従業員も新たに5人増やしました。

すでに長崎県内の商社を通じて順次、シンガポールへの輸出を始めていて、今月にもスーパーなどに並ぶ予定です。

結構な設備投資をしているので、これ以上の規模拡大は今のところ考えていないが必要に迫られれば、もう一回くらいやるかもしれない。

期待は大きい。
