
SMBC日興証券の社員らが特定の銘柄の株価を維持する目的で不正な株取引を繰り返した疑いがあるとして証券取引等監視委員会がSMBC日興証券を強制調査しました。
今年6月に本社やその他の拠点など複数の部署で調査が行われたことがテレビ東京の取材でわかりました。
監視委員会はSMBC日興証券が相場操縦を組織的に行っていた疑いもあると見て調べを進めています。

SMBC日興証券株式会社
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川﨑太郎。
SMBC日興証券の強制調査はこちらのビルにある複数の部署を対象に行われたということです。

東京・丸の内のビルに本社を構えるSMBC日興証券。
テレビ東京の取材で今年6月中旬から複数の部署で証券取引等監視委員会の強制調査を受けていたことが分かりました。

関係者によると容疑は金融商品取引法違反の相場操縦。日興証券側が株価を意図的に維持しようと複数の銘柄の取引を不正に繰り返した疑いがもたれています。

強制調査が入った先は株の取引を担うエクイティ本部や大株主の資産を運用するプライベートウェルス本部など複数の部署にまたがり、監視委員会は刑事告発も視野に社員や幹部らから任意に事情を聞いているということです。


今回問題があったとされるのはブロックオファーと呼ばれる取引。

日興証券によると大量の株を売却した大株主は市場で一気に売却すると値崩れを起こす恐れがあり、それを嫌う大株主は証券会社に相談。

証券会社は得意先の個人投資家たちに株の購入を持ちかけ、立ち会い時間外で取引を成立させます。
大量の株をブロックに見立てるためブロックオファーと呼びますが問題はその価格です。
価格は通常、投資家に取引を持ちかけた翌日の終値を基準に成立させます。つまり終値が下がってしまえば売買価格も下がります。
日興証券側が自ら株を買い支えて売買価格を下がらないようにした相場操縦の疑いがもたれているのです。
相場操縦が事実だとすれば本来安く買えたはずの投資家が高値で買わされた可能性にもつながりかねません。

監視委員会の幹部は取材に対し…
一般論として証券会社は売値や買値を操作することはあってはならない。

行為者(社員)の問題か組織ぐるみかが重要になる。

一方、日興証券側は「当社及び当社社員が証券取引等監視委員会の調査を受けていることは事実です」と発表。

ある幹部は…
当局の狙いがよく分からない。現場は何が起きているか分からないでいる。
