三井住友カード株式会社
[blogcard url="http://www.smbc-card.com/index.jsp"]
昼時、沢山の人で賑わう三井住友カード株式会社の社員食堂。
食べたいメニューをカウンターにあるタブレットで注文し料理を受け取ります。
しかし、皆さんお金を払っていません。支払いはどうしているのでしょうか?
「精算は?」
顔認証です。
顔認証。カウンターのタブレットに秘密が。
端末に接続されたカメラが顔を撮影。その画像を事前に登録した顔のデータと照合。その間、わずか1秒。料金は給与から天引きされます。
これは2016年11月に始まった「手ぶら決済」の実証実験です。
利用者は、
何も持っていかなくていいから楽。
三井住友カード株式会社が最終的に狙うのは本業のクレジット利用の拡大。行く行くはカード情報と顔認証を紐付け「手ぶら決済」サービスを提供を目指します。
三井住友カード株式会社の商品企画開発部、川名芳生部長は、
「手ぶら決済」が必然的に発生する。例えばスポーツジムやプール・海の家などで展開できないかと。
日本電気株式会社
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この顔認証技術を提供しているのがNEC(日本電気株式会社)です。NECは顔認証技術の研究・開発を1989年から25年以上に渡って続けてきました。
160万人の顔データの場合、0.3秒で照合が可能。
アメリカのコンテストで速度・精度ともに「世界一」の評価を受けています。
その仕組みは、第二官公ソリューション事業部、志賀俊介さんによると、
目・鼻・口などの特徴的な点を数値化して数値データとして保存する。
目尻のカーブの曲がり具合や鼻の輪郭などを数値化して保存。顔写真そのものではなくその数値を元に照合する仕組みです。
すでにスポーツやイベントの入場ゲートなどで本人確認に使われている、この顔認証技術。NECは今後、この技術を金融や小売の決済サービスの現場に売り込みたい考えです。
株式会社Liquid
[blogcard url="http://liquidinc.asia/"]
一方、手ぶら決済は1,700年の歴史を持つという神奈川県の湯河原温泉でも。
街を上げて実証実験に取り組んでいるのが指を使った決済サービス「指決済」。旅館など51施設が参加していますが一体どんなサービスなのでしょうか?
青巒荘
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老舗旅館「青巒荘」にやって来たのは都内に住む、本吉正さんたち。
「指クーポン」をしていただく。
まずチェックインする時に親指と人差指の指紋を登録。宿泊サービスのクーポン2,000円分が指紋データと紐付けられました。
その他、現金によるチャージやクレジットカードとの紐付けも可能です。
指紋認証はベンチャー企業「株式会社Liquid」の技術。指紋の線が消えたところや分岐点の位置などを数値化。
指紋のデータそのものは保存しないため悪用は防げるといいます。
部屋から出てきた本吉正さんたち、やって来たのは宿の売店です。浴衣姿の二人、財布は持っていません。部屋で飲むお酒を買うことにしました。
商品を持ってレジへ。
親指からよろしいですか?次は人差し指です。これでお支払は済みました。
支払いは親指と人差指を1回ずつタッチするだけ。
本吉正さんは、
便利ですね。「これで決済できるんだ」と驚きました。
指認証
翌日、街の土産店に買い物をする本吉正さんの姿がありました。
支払いは「指認証」。
ここでも手ぶらで決済できました。
2016年10月に始まった湯河原での実証事件。ガソリンスタンドや飲食店なども参加し少しずつ、利用する人は増えているといいます。
店からはこんな声も、
温泉街だからお客様は来ると、宿で食事して風呂に入って表に出る機会が少ない。手ぶら決済で表に出る機会が増えるのでのはないか。
手ぶらで買い物ができるのなら、もっと気軽に街で消費してもらえるのでは、そんな期待が高まっています。
株式会社ジェイティービー
[blogcard url="http://www.seiransou.co.jp/"]
この実証実験は経済産業省の委託を受けた旅行代理店の株式会社ジェイティービーなど7つの企業と団体が実施しています。
もう一つの大きな狙いは?
株式会社JTBコーポレートセールスの霞が関第一事業部、高知尾昌行マネージャーは、
外国人がストレスなく回遊して楽しんでもらえる環境をつくっていきたい。
訪日外国人のアンケートによると日本で困ったこととしてクレジットカードの利用や両替など買い物の悩みも多く挙げられています。
先程の湯河原温泉で外国人を見つけました。
上海から旅行に来たという2人に、このサービスを体験してもらうと、
クレジットカードより安全。パスワードも要らないしね。
同じような取り組みは福岡や三重、群馬など日本各地で広がっています。
手ぶら決済は日本の消費現場を変えることができるでしょうか?