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[WBS]タッチ決済に勝算は?Visa公共交通機関へ導入強化[三井住友カード株式会社]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

皆さんはクレジットカードのタッチ決済という機能を使ったことがあるでしょうか。文字通り端末にカードをタッチするだけで決済が完了するというものです。実はVisaの場合、世界の決済のおよそ7割を占めるほどタッチ決済が普及しているのです。そのVisaがSuicaなど交通ICの独壇場ともいえる日本の公共交通機関の決済市場にいま狙いを定めています。勝算はあるのでしょうか。

電車・バスでVisaタッチ決済!海外で普及 日本でも本格参入?

8月2日に都内で開かれた交通事業者向けの説明会。首都圏の鉄道やバスなど100社が参加しました。

多くの人の関心を集めていたのが…

長江優子記者

こちらのクレジットカードを使えば改札を通ることができます。

Visaカードのタッチ決済機能を使った交通決済システムです。

鉄道やバスに対応。これまでに南海電気鉄道や西武バスなど30の事業者が採用しています。

Visa側はさらに今後のインバウンド需要の回復などを念頭に参加事業者の拡大を狙っています。

Visaとともにシステム開発を進める三井住友カードは…

三井住友カード
大西幸彦社長

タッチ決済を交通でも利用してもらうことでクレジットカード利用の日常化が進んでいけばいい。
諸外国でもこの数年で一気に広がった。日本もこれからだということ。

実は海外ではクレジットカードによるタッチ決済が普及しつつあります。

ニューヨークのこちらの店では…

ニューヨーク支局
手塚明日香記者

こちらのジュース、1.95ドルと少額ですがカードをタッチするだけで決済ができます。

ジュース1本のような少額な買い物でもタッチ決済を使うのが当たり前になっています。

さらに…

ニューヨーク支局
手塚明日香記者

マンハッタンにあるメトロの奥には液晶パネルがあります。クレジットカードをかざすだけで改札を通ることができます。

ニューヨークのマンハッタンでは去年、全ての駅でタッチ決済を導入。お客さんの2割以上が利用しているといいます。

実はすでに世界の580を超える公共交通機関でタッチ決済が導入されていますが日本では導入が進んでいませんでした。

Visaタッチ 全面導入のバス会社!"Suica市場"でなぜ?勝機は?

その背景にあるのは交通ICの圧倒的な普及率です。Suicaだけでも9,000万枚以上が発行されています。

そうした中、一足早くタッチ決済を導入した事業者「茨城交通」が茨城県にあります。

金子律人記者

タッチ決済で乗れるバスがありました。
「Visaでタッチ」って大きく書いています。

茨城交通は2022年、高速バスとして日本で初めてVisaカードのタッチ決済を導入。車内にある専用の端末で乗車人数を入力し、カードをかざせば決済は完了です。

茨城と東京を結ぶ2つの路線で利用できます。

茨城交通
勝田営業所
小山満之所長

現場では現金のやり取りがないためお客様のスムーズな乗降ができて運転手の負担軽減につながっている。

導入後、タッチ決済の利用者は少しずつ増加。バスでは運転手が1人で精算まで行うため運営も楽になったといいます。

利便性の高さから茨城交通は2023年12月をめどにすべての路線バスにタッチ決済を導入することを決めました。

しかし、乗客からはこんな本音も…

バスの利用客

VisaよりSuicaが使えるようになった方が個人的には使うと思う。

茨城交通はなぜSuicaより先にタッチ決済の導入を決めたのでしょうか。

茨城交通を傘下に収める
みちのりHD
松本順グループCEO

交通系カードは非常に短い決済時間を実現しているので大きなメリットがあるが、クレジットカードもそこ(決済時間)が非常に短くなってきた。
まだまだこれから技術的に展開も期待できる。
今後新たに決済システムをバスに取り入れていくときは必ずクレジットカードのタッチ決済も載せていく。

現状では交通ICの独壇場ともいえる市場で勝算はあるのか。三井住友カードに聞くと…

三井住友カード
大西幸彦社長

キーワードは「共存」だと思っていて、シェアの取り合いというよりもキャッシュレス決済自体がどんどん増えていく中でタッチ決済もあれば交通系ICもあるというふうになっていくのではないか。

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