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[WBS]大規模修繕で税優遇!"長寿命化"マンション特例に課題も[株式会社スマート修繕]

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今回の税制改正では各地で老朽化が問題になっているマンションについても新たな措置が検討されています。外壁の補修など長寿命化に向けた大規模修繕工事を行った場合、固定資産税を軽くするというものです。ただ、現場を取材すると課題も見えてきました。

大規模修繕で減税検討も

認定までに高いハードル

東京・日本橋にあるマンション。築40年で現在39世帯が入っています。

マンションのオーナーは…

マンションのオーナー

痛みや劣化が激しくなっているから大規模修繕工事を計画した。
来年の秋くらいに予定している。

実際に中を見せてもらうと…

大規模修繕工事を支援する
スマート修繕
豊田賢治郎社長

塗装の中に水が入り、中の鉄筋がさびて、膨らんでコンクリートと塗装が落ちた。

手すりなどもさびで腐食していて、床には亀裂が…

こうした痛みや劣化を修繕し、マンションの長寿命化を促すため、今回の税制改正では減税措置が新設される見通しです。

その条件とされるのが…

大規模修繕工事を支援する
スマート修繕
豊田賢治郎社長

管理計画認定マンションであることとある。

マンション管理計画認定とは管理組合の運営や長期修繕計画の作成などがしっかり行われているかを各自治体が確認し、認定する制度です。

今回の減税措置はこの認定制度に登録されたマンションで大規模修繕工事を行った場合、翌年の建物部分の固定資産税を3分の1減額するというものです。

ただ、減額される固定資産税は1世帯当たり平均数万円程度。一方で大規模修繕工事には1世帯当たり100万円以上が必要になります。

さらに登録までには高いハードルも。

大規模修繕工事を支援する
スマート修繕
豊田賢治郎社長

認定基準に区分所有者の名簿のみならず、居住者の名簿が整備されていて、年1回以上見直すこととある。
変化するものを確認・管理しないといけないので簡単ではない。

あなたのマンションは対象?

すでに管理計画認定を受けたマンションを訪ねました。東京・板橋区にあるパーク・エステート上板橋。

三井不動産レジデンシャルサービス
営業課
田中伸哉さん

管理組合がマンションの資産価値向上と建物の維持管理を重要な課題ととらえていて、今回そのタイミングで管理計画認定制度が始まったので提案をした。

前回の大規模修繕工事からおよそ15年が経ったこちらのマンションは7月から申請の準備を開始。管理規約の改定や長期修繕計画の見直しなど認定まで3ヵ月かかりました。

減税の対象になる見通しの2023年度から2024年度末までに大規模修繕工事を行う予定だといいます。

しかし、この管理計画認定制度、実際に運用し始めた自治体は東京都内では板橋区、八王子市、小金井市、府中市の4つのみで適用される地域が限られるなどの課題もあります。

三井不動産レジデンシャルサービス
営業課
田中伸哉さん

知らない人が多く、こちらが話をすると「結構良いね」と言う。
ただ意外と自分のマンションには合致しない。
やりたくでもできないのがどうなのかというのが正直なところ。

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