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[WBS]秘策は"非ファミレス"!?大手2社とも最終赤字…[株式会社すかいらーくホールディングス]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

ファミリーレストランを展開する大手2社が8月13日に上半期の決算を発表しました。

コロナの長期化で大人数で食事を楽しむファミレスの強みが生かせない中、従来とは異なるいわば"非ファミレス"の事業に力を入れることで苦境を乗り越えようとしています。

株式会社すかいらーくホールディングス

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ファミリーレストランのジョナサンやガストを運営するすかいらーくホールディングスが8月13日に今年上半期の業績を発表。

本業の儲けを示す営業利益は4億5,900万円の黒字と1年前の180億円の赤字から転換しました。

その要因はデリバリーの売り上げが31%、テイクアウトが26%増えたこと。

ガストやから揚げ専門店のから好しでもデリバリーやテイクアウトが好調でした。

ただ、店内で食べるイートインは苦戦が続き、既存店の売り上げはコロナ前の7割程度にとどまっていて最終損益は5億円の赤字となりました。

すかいらーくHDの谷真会長兼社長。

一番大事なのは既存店の売り上げ。

ここをしっかり基盤を構築しなければ成長や回復は極めて難しい。

一方、ロイヤルホストを運営するロイヤルホールディングスは最終損益・営業損益ともに赤字幅は縮小したものの2年連続の赤字となりました。

ロイヤルホストと天丼店てんやはテイクアウト需要の増加などにより回復傾向が見られたものの通期の業績予想については…

ロイヤルHDの黒須康宏社長。

新型コロナの収束に見通しは依然として不透明。

現時点で業績予想の合理的な見積りが困難と判断し、21年12月期連結業績予想は引き続き未定としたい。

ファミレス事業の先行きが不透明な中、力を入れているのが家庭用冷凍食品のロイヤルデリ。7月の売り上げは去年の2.5倍だといいます。

さらに5月にはロイヤルで初めてとなるフライドチキン専門店をオープン。バーガーとして売ることでテイクアウトやデリバリーの注文が好調です。

秋以降、10店舗程度に拡大を目指します。

お客様の選択肢自体が広がっている。

新業態あるいはロイヤルデリを通じて選択肢に対応していくのが私どもの考え。

さらに新しい売り上げをとっていく。

ただ、ファミレスにとっての収益の柱はやはりイートイン。業界に詳しいアナリストは…

みずほ証券の朝枝英也シニアアナリスト。

ファミレスはかつて大人数で行ったときに誰でも食べるものがあるメニューの幅広さが強みだったが現在は必ずしも強みではない。

生き残るために業態転換などの施策は必要。

目的来店需要を満たす専門的で特徴のあるメニューにする必要がある。

生き残りのために必要なのは従来のファミレスから非ファミレス、特徴のある専門店への転換だと指摘します。

すかいらーくでも非ファミレスの取り組みを進めています。

先月末、都内にオープンしたのはカフェ「むさしの森珈琲」です。

店内は高原リゾートをイメージし、落ち着いてくつろげる雰囲気になっています。

ハンドドリップで1杯ずつ入れる本格コーヒーに看板メニューのパンケーキはふわふわでとろける食感が売りです。

このパンケーキを目当てに来るお客様も多いといいます。

おいしー。

実はこの店、以前はすかいらーくが持つファミレス「ジョナサン」でした。

カフェに業態を転換したのです。

すかいらーくレストランツのむさしの森珈琲、織部始営業本部長。

コロナ禍でディナータイムの営業が非常に厳しい。

むさしの森珈琲でいうとモーニング、ランチ、ティータイムと多くのお客様に来てもらえる。

従来のファミレス業態ではランチとディナータイムにお客様が集中。しかし、コロナの影響でその稼ぎ時の需要が激減しているそうです。

一方、むさしの森珈琲の朝9時半ごろの店内は1人でくつろぐお客様の姿が多く見られます。

以前からこの店を使っているというお客様は…

コーヒーだけのときもあるし、夕方に来るときは食事。

来る時間によって利用パターンがある。

ジョナサンのときはご飯を食べたい時だけだった。

カフェ業態にすることで開店から閉店まで1日中まんべんなくさまざまな客層が利用しているといいます。

今年、ジョナサンやガストなどからむさしの森珈琲に転換した店は15店。その売り上げは全業態の平均と比べ35%以上多くなりました。

すかいらーくは現在、20以上のブランドを展開していますが、ほかにもハワイアン料理など専門に特化した業態を増やす考えです。

どういう動機で外食をするか、意味をしっかり持つ業態がお客様の支持を得ている。

ハワイアンやむさしの森珈琲への転換は積極的に進めていきたい。

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