いま世界中で自動運転車両の開発が進んでいますが、もし事故などのトラブルが起こった場合、誰が責任を取るのか、またどう対処するのかが課題となっています。
ひとくちに自動運転といっても搭載される技術によってレベル分けされています。
レベル2まではハンドルの操作やブレーキなどのサポートです。現在、国内でも市販車に採用され実用化が進んでいる技術です。
ただ、レベル2までは主に運転をサポートする技術なので万一事故を起こした際の責任は通常の運転と同じようにドライバー側にあるということになります。
一方、レベル3以上は基本的にドライバーが操作を行う必要はなく、システムが運転に関する操作を行うので自己の責任はシステム側にあるとされています。
このようにレベル2と3とでは自己の責任の所在が変わってくるということです。
そうしたレベル3以上の時代を見越して事故を扱う保険会社も自動運転車を遠隔操作する実験を始めました。
その狙いは?
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
[blogcard url="https://www.sjnk.co.jp/"]
損害保険ジャパン日本興亜の飯豊聡取締役専務執行役員、
自動運転、この走行支援をサポートする。
9月27日、損害保険ジャパン日本興亜は自動運転のトラブルに対応する研究拠点を開きました。
CONNECTED SUPPORT CENTER
その拠点がこちら。
車の状況を映すモニターの前にはハンドルが…
万一運転手が乗っていない自動運転の車がトラブルにあった場合、ここから遠隔操作でサポートします。
実際はどうサポートするのでしょうか?
石川瑠美記者、
ハンドルが自動的に動いていますね。普通に人が運転しているのと変わりない。
完全自動運転レベル4の車なので運転席は無人の状態。
すると、
いま急停止しました。
前方に障害物、事故を起こした車が停車しているという設定です。
オペレーター、
前方車両で事故が発生しましたので安全確認のため停車しております。
危険回避のため、遠隔運転手が介入し運転士ますのでしばらくお待ちください。
オペレーターはお客様への応対と同時に遠隔運転手とともにトラブルに対処します。
遠隔運転手、
危険回避のため操舵介入します。
遠隔運転手はモニター画面を見ながら手元のハンドルを操作すると、車は再び動き出し障害物を避けて進みます。
自動運転と遠隔運転、変わらないですね。
障害物を避けて停車しました。
スピードやブレーキは足元のペダルで操作。
そして、
三角ボタンを押すとハザードがついて。
車の運転に関するすべての操作が遠隔でできます。
また、万一車が走行できない状態になっても、
代わりの車を手配します。
損保ジャパンは自動運転車両に起こるトラブルをオペレーターと遠隔操作で解決する仕組みを2020年を目標に作り上げていく予定です。
自動運転によって事故の件数が減るとの予測もあります。
そのため、これまで事故の後処理が中心だった自動車保険のビジネスモデル自体にも変化が求められているからです。
能動的にアプローチできるサービスの品質を上げるところに活路を見いだす。
事故が起こらないようにする見守りも含め、どうやってパッケージにして提供できるかが勝負の分かれ道になってくる。