自転車事故の賠償に備える自転車保険をご存知でしょうか。
今月、東京・豊島区が加入を義務付け今後全国に広がるとみられています。義務化されるとどうなるのか取材しました。
自転車保険
東京都豊島区の自転車販売店「マツダサイクル」。
今月から接客の際にこんなやりとりが加わりました。
マツダサイクルの松田宗能さん、
豊島区で自転車保険が義務化になって入らなくれはいけなくなった。
義務化されるの?
義務化されたんです。
この店がある豊島区では10月、区内を自転車で走る人に対して事故の賠償を補償する保険に加入することが義務付けられました。
販売店はお客様に対し保険加入を促すことが求められます。
自転車保険の義務化は東京都全域でも来年4月の実施を予定。兵庫県や埼玉県ではすでに実施済みです。
保険料は補償内容が相手への賠償のみの場合、年間1,000円程度からあります。
非常にいいこと。加害者になることを考えると損ではない。
自治体が自転車保険の義務化に踏み切る背景には高額な賠償金を伴うトラブルが全国で相次いでいることがあります。
豊島区土木管理課長の増子嘉英さん、
中には1億円という高額賠償事例もある。
万が一の事故に備える必要があるため今回保険の加入義務化に踏み切った。
豊島区が定期的に開いている自転車の交通安全教室。
参加者たちは今回の保険義務化をどう受け止めているのでしょうか?
角をスピード上げて出てくる自転車がいてぶつかりそうになった。
「保険は加入した?」
まだなんです。しなきゃいけない。この子も自転車乗れるので。
もう自分で保険に入っているので義務化は特に違和感がない。
概ね前向きに捉えているようでした。
ただこの自転車保険義務化、実効性について疑問の声も上がっています。
加入しなかった場合の罰則がないため、どれだけ多くの人が実際に保険に加入するか分からないのです。
自動車保険の特約やクレジットカードの付帯などがあり、すぐに確認ができないので罰則は見送っている。
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
[blogcard url="https://www.sjnk.co.jp/"]
それでも自動車保険などのおまけでしかなかった自転車保険を商品として積極的に売り出す動きが出てきていました。
自転車保険のプランを多く展開する損保ジャパン日本興亜。
コンビニで契約できるのものに加え、若者向けにLINEで簡単に申し込みできるプランの販売を始めました。
最短で60秒で加入することが可能。
保険料収入全体の5割を占める自動車保険の市場が縮小傾向にある中、自転車保険は新規の顧客が去年のおよそ2倍。
成長分野として力を入れる考えです。
損保ジャパン日本興亜の砂川淳さん、
若者の自転車離れや高齢者の免許返納によって自動車保険に加入していない人が増えている。
今後、自転車保険市場の拡大が予想される。