最難関といわれる司法試験ですが、その受験資格が得られる予備試験の問題予測に挑んだのがAI(人工知能)です。
ベンチャー企業のサイトビジットは5月20日、AIを使って試験の合格ラインである6割の問題を的中させたと発表しました。
株式会社サイトビジット
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明石力也さん(21歳)。1年前から司法試験の勉強を始めた明石さん。今回、司法試験にチャレンジします。
しかし、
ある程度覚えないと仕方ない部分がある。
弁護士や検察官、裁判官になるには司法試験に合格する必要があります。大学卒業後、法科大学院に進んだ後に司法試験を受ける形が一般的でしたが、現在は司法試験の予備試験を突破すれば誰でも司法試験の本試験にチャレンジすることができます。
しかし、その予備試験の合格率は3.8%。超難関試験に挑む明石さん。今回、ある秘策を用意していました。
「未来問」というもの。
AIが予想したと聞いて、これはやるしかないと思った。
未来問
未来問、過去8年分の予備試験の問題と問題集3,500ページ、ネット上の法律用語をAIが学習。出題傾向を分析し、今年の問題を予測するというものです。
未来問を開発したのはベンチャー企業のサイトビジット。合格ラインである60%以上の問題的中を目指しています。
果たしてAIによる問題予測はどこまで的中するのでしょうか?
5月19日、司法試験の予備試験に挑んだ明石さん。その手応えは…
少しだけだが、そのまま同じ問題があった。
未来問のおかげで1点でも増えたと思う。
実際の試験とAIが予測した問題を比較したもの。「当該行為が当該会社の」と書かれた部分をAIは「その行為がその会社の」としただけでほぼ的中させたのです。
過去2回の合格ラインの正答率は59%台ですが、今回AIは短答式の試験95問中、なんと60%にあたる57問の問題の予測に成功しました。
鬼頭政人社長
なぜAIによる問題予測が可能になったのか?
サイトビジットの鬼頭政人社長、
これまで本番の試験予測は「勘ピューター」で予測していた。
これを人工知能が統計学的に「合理的に予測できるのでは」と仮設を立てた。
すでにサイトビジットではAIを使って2018年の宅建試験でも合格ラインを超える78%の問題を的中させています。
今後は来年1月に行われるセンター試験の未来問も開発する予定です。
しかし、AIが合格ラインを突破してしまったことで出題のあり方に波紋を広げる可能性があります。
自身も弁護士である鬼頭社長は、
司法試験の予備試験はスタート地点に立つための登竜門。
その後もずっと勉強は続いていくので、その中で自分で勉強して法律家になればいい。
今回、初めて司法試験に挑戦した明石さん。自己採点の結果は…
正答率49%です。
「未来問」をやるのが試験の1~2週間前だったので、もう少し早く始めていればよかったかもしれない。
AIが試験問題の予測に成功したことで今後、受験のあり方は変わっていくのでしょうか。